不動産仲介契約

不動産仲介契約は、不動産の売買または賃貸借を媒介することを委託する委託者と仲介人との契約です。商法に仲立営業というのがありますが、これは他人間の商行為を媒介するものです。商人間の商取引を媒介する行為だといえます。しかし不動産仲介契約は同じ仲立契約ではあっても、主として非商人間の取引を媒介するものです。また商取引のような動産の大量の流通する取引を予定するものではなく、また必ずしも営業として媒介を行うものでもないために、当然の報酬請求権を生じるものではありません。そこで不動産仲介契約は商事仲立契約とは異なった性質をもっているので、商法の規定を直ちに適用するには適しません。これを特に民事仲立と言います。

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仲介ないし仲立というのは、他人間の契約締結を媒介することですが、仲介契約とは、その媒介という事実行為を委託する契約です。したがって法律行為をなすことを委託する委任契約ではなく準委任契約だというのが、日本の通説、判例となっています。しかし準委任とも異なる特殊性を持っていることが分かります。
仲介人の義務として、不動産の売買や賃貸借を特に成立させる義務やそれに奔走する義務を負いません。準委任であればこの義務を負うことになります。仲介人は媒介に成功して売買、賃貸借が成立すれば報酬を請求できるにすぎません。いいかえれば仲介の成功が報酬請求権の発生要件となっているにすぎません。仲介人が取引の相手方を紹介しても、委託者はそれと売買、賃貸借を結結するか否かの自由を有します。特定した事務の準委任であれば委託者の受領義務を認むべきことになりますが、仲介はこれと異なり、委託者に媒介の受領義務はありません。委託者は仲介人に仲介を委託しておきながら、自分の手で不動産を売却することもできるし、また同一内容の仲介委託を同時に数人の仲介人になすことができます。委託者が自己に有利な条件を提示した仲介人を選択できるのは自由競争の本賃だということになります。しかし仲介人としてこれで期待を裏切られるのを防止するため、専属的仲介契約を結ぶこともできます。アメリカでは委託する際に、前記の自由な仲介委託にするか、専属的委託にするかの別を文書ではっきりさせることにしています。専属的仲介というのは、委託した仲介人を通してでしか売買できないものです。
仲介委託契約はいずれからでも解除する自由があります。解除の自由については民法の委任についても規定がありますが、受任者の責めに帰すべからざる事由によって履行の半途において委任が終了したときは、すでに展行した割合に応じて報酬を請求できることになっています。しかし、不動産仲介では一時的債権関係であるために、最終的に仲介が成功しないかぎり報酬は請求できません。なお、仲介解除が信義則に反するとき、たとえば報酬の支払いを免れるために委託を解除したような場合は、後述するように仲介人として報酬請求権を失わないと解されます。
委任契約では、特約がないかぎり仲介人の報訓請求権はありません。しかし不動産仲介は、これを営業とする者、つまり宅地建物取引業者によってなされる場合は、業者が商人であるために、当然の報酬請求権があることになります。民事仲立でもこれを営業とする以上は商人となるからです。したがって報酬を得ようと思えば、仲介人は報酬を特約しておくか、さもなげれば業者であれば業者たることを委託者に明示しておく必要があります。
仲介契約は条件付契約で、報酬を請求できる場合は、仲介人の仲介によって売買、賃貸借が成立すれば報酬を請求できる契約です。すなわち売買が成立したことと、売買成立と仲介活動との間に因果関係があることとが報酬請求権の発生要件とされます。そこで委託者が報酬の請求を免れる目的で、仲介人を排除して、相手方と直接取引した場合、売買成立と仲介活動との間の因果関係の中断では、民法一三○条によって、これを委託者による故意の条件成就妨害だとして、条件成就とみなして仲介人が報馴を講求できるものと解されています。仲介契約は一時的契約関係で、一般に委任契約は貨賃借や雇傭と同じように継続的契約関係と解されます。しかし、仲介契約は準委任といわれますが、売買成立という仲介の成果へ向けての委託契約であるために、売買や請負と同じく、仲介成功という一事によって終了する契約で、一時的契約関係とみるべきです。
媒介仲立と指示仲立とは前者は通常の仲立で、仲介人が売買両当事者の間を媒介して契約縮結まで世話をし、売買成立によって報酬請求権が発生するものです。後者は仲介人が委託者に取引の機会を指示するだけの仲介契約です。つまり仲介人は物件の所在または取引の相手を紹介し、委託者が直接相手方と交渉せざるをえない仲介契約です。交渉能力や手続に疎い素人は媒介仲立によることになり、交渉や手続にたけている玄人は後者によって仲介料を節約することになります。

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