借地非訟事件の手続と費用

木造の建物を建てるということで借地をしていますが、最近このあたりが防火地域に指定されましたので、コンクリート建物を建てたいと思いますが、地主が示知しません。裁判に出せばよいとのことですが、どうしたものでしょうか。
木造の建物を建てる約定で借地権が設定された後、その地域が防火地域に指定され、現在その土地に借地権を設定するとするならば、コンクリート造り等の堅固の建物を建てる借地権を設定するのが相当であると認められる場合に、当事者間で木造等の非堅固の建物を建てる借地条件を堅固の建物を建てる借地条件に変更することについての協議が成立しないときは、借地権者は、借地の所在地の地方裁判所にこの建物に関する借地条件の変更の裁判の申立をすることができます。もっとも、当事者間で管轄裁判所を借地の所在地の簡易裁判所とする合意があるときは、その簡易裁判所にこの申立をすることができます。

スポンサーリンク
土地

申立は、もちろん本人(借地権者)が自らしてもさしつかえありませんが、代理人によってもすることができます。この場合、この申立による非訟事件の裁判手続は、当事者間の争訟的な性格の強いものであり、当事者がどのような主張をしまたは証拠を提出するかによって、裁判の内容に影響するところが多いものですから、代理人については、ほぼ民事訴訟の場合と同じ取扱がなされています。すなわち、地方裁判所に申立をするときは、弁護士に委任して代理人になってもらう必要があり、弁護士以外の者を代理人とすることはできません。もっとも登記された支配人や親権者のように、法律によって裁判に関する一切の行為をすることができる者は、その商人のために代理人になったり、未成年者の代理人になったりして申立をすることができますが、これらの者がさらに委任代理人を選任して申立をするには、弁護士に委任しなければなりません。
次に、管轄裁判所についての当事者の合意があって、借地の所在地の簡易裁判所に申立をする場合には、民事訴訟の場合と同じく、その裁判所の許可があれば、弁護士以外の者を代理人とすることができますが、その許可がえられるためには、代理人として活動できる一応の能力のある者でなければならないでしょう。
なお、代理人として裁判手続を追行するのでなく、単に申立書等の書類を作成するのであれば、弁護士でなくても、司法書士や法律を知っている知合いの人でももちろん差し支えありません。その作成してもらった申立書等の書類を本人が裁判所に提出すればよいわけです。そして、この裁判手続は、裁判所の職権による手続も多く採り入れられておりますから、本人でも裁判手続を進めることはそれほど困難ではないと思います。
申立は、必ず申立書によってしなければなりませんが申立書に記載すべき事項は法令で定まっており、その事項をできるだけ明確簡潔に記載することが望ましいわけです。その記載事項は、次のとおりです。
(1)申立人と相手方の氏名、住所、申立人は、本問の場合借地権者であり、相手方は、地主ですが、その氏名、住所を記載します。申立人または相手方が会社その他の法人であるときは、その名称と主たる事務所およびその代表者の氏名、住所を記載します。
なお、転借地権者が申立人で、原借地権者および土地の所有者の双方を相手方とする場合には、これらの者の氏名、住所を記載します。
(2)代理人によって申立をする場合には、その氏名と住所
(3)申立の趣旨としては、いかなる裁判を申し立てるかを明確に記載します。本問の場合には、その借地権の目的たる土地の表示(所在地番、地積)を明らかにし、木造等の非堅固の建物所有の借地条件を堅固の建物所有の借地条件に変更する裁判を求める旨を記載します。
(4)申立を理由づける事実、すなわち申立の認められるための要件として借地法の関係規定が定めている事実を記載するのですが、本問の場合には、その借地の属する地域が防火地域にいつから指定されたかを明らかにし、現在借地契約をするとすれば堅固の建物所有の借地条件で契約されるのが相当である具体的な事情を記載します。
(5)裁判を求める対象の借地権(借地契約)の主な内容を記載します。建物の種類、構造、借地権の存続期間、地代または借賃、増築等に関する制約の特約の有無、借地権設定の際の権利金または更新した場合の更新料の授受の有無およびその類等を記載します。
申立前における地主との交渉の経緯、双方の意見の相違点、もし調停を経た場合はその経緯を記載します。
(7)申立の年月日
申立をする裁判所の表示
以上が申立書に記載する事項ですが、相手方の数だけ同一内容の申立書を添付するほか、借地契約書とか、権利金や地代等の領収証等の主要な証拠書類があれば、その写しを申立書の数だけ添付することが望ましいといえます。
本問の場合のように、借地非訟事件の申立をするには、手数料を納付しなければならないのですが、この手数料については、借地法一四条の一五および借地非訟事件手数料等規則一条の規定により定められています。

土地
借地関係の終了/ 借地明渡請求の正当事由/ 借地の営業上利益の衝突/ 居住の必要性の衝突/ 借地人の必要性の稀薄/ 環境に不適合な借地利用/ 新地主による明渡請求/ 建物のない借地と期間満了/ 地主、借地人間の感情の対立/ 借地人の破産と借地権/ 更新料と立退料/ 明渡請求のない場合の買取請求/ 買取請求の対象/ 建物のないときの買取請求/ 二つの土地にまたがる建物の買取請求/ 建物の共有者の一人の買取請求/ 再築建物の買取請求/ 合意解消と買取請求/ 債務不履行による解除と買取請求/ 契約解除と建物譲受人の買取請求/ 抵当権の負担ある建物の買取請求/ 借地上建物の買取価格の計算/ 建物買取代金の不払い/ 明渡判決確定後の建物買取請求/ 借地人の必要費と有益費の償還/ 借地訴訟事件/ 借地非訟事件とその手続の特色/ 借地非訟事件の手続と費用/ 鑑定委員会/ 土地明渡しの即決和解/ 土地明渡の調停/ 地代滞納と仮処分/ 土地買収と借地権/ 区画整理と借地権/ 国有地の賃貸借/ 公園の一部を借りている場合/

       copyrght(c).土地の買い方ガイド.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー