借地関係の終了

土地を他人に貸したからといって、その土地が地主の所有地であることは間違いないのですから、いつかは借地関係が消滅して地主の手に土地が戻ってくる、というのが法律の予想する建前です。ただ、借地人の保護とか借地上に役下された資本の維持のために、借地関係を地主がそう簡単に消滅させることは認められません。したがって、貸した土地は現実にはなかなか戻ってこない、ということになります。
さて、借地関係の消滅が認められる場合を大別すると、第一は、借地人自身が借地 関係の消滅を欲している場合、第二は、借地人に不都合な行為がある場合、第三に、借地期間が満了し、しかも、借地権を消滅させるについて正当の事由がある場合の三つになります。
第一の場合には、借地人自身がもう借地権は不要だというのですから、借地人保護のことを考える必要はないわけです。その場合、地主も借地関係の消滅に合意すれば、借地契約のいわゆる合意解除が成立します。地主の希望に応じて借地人が立ち退く場合とか、借地人が転勤で土地を返すからといい地主が承諾する場合が、これに当たります。

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土地

現在のように土地を借りる需要が多く、借地権にかなりの財産的価値があるときは、借地関係が終了すれば、地主は大いに得をするのが普通ですから、借地人が借地関係を終了させたいと申し出たのに、地主がこれに承諾しない、ということは、あまり考えられません。しかし、理論的には、そういうこともありうるわけで、その場合、借地人が一方的意思で借地関係を終了させることができるか、という問題が起こります。
 借地契約で借地期間が約定されている場合には、このような一方的意思による終了は認められません。例えば約定の期間がまだ一〇年残っているのに一方的に借地関係が消滅させられるとすれば、あと一〇年だけ地代が入ってくるという地主の期待は裏切られることになるからです。換言すれば、借地権は権利ですから、あと一〇年の残存期間があっても、借地人がこれを放棄しても一向に差支えはありませんが、借地関係に伴うかれの地代支払義務は勝手にまぬがれるわけにはいかず、結局、借地権を約定期間の満了前に放棄しても、なにもならないというわけです。
ところで問題は借地契約で借地の期間を定めなかった場合です。この場合、借地法二条一項によれば、借地期間は六〇年または三〇年ということになると定められていますから、この期間が経過するまでは、期間の約定のある場合と同様に、借地人が借地関係を一方的に消滅させることはできない、というふうにも考えられます。しかし、借地法が期間の定めのないときは期間を六〇年、三〇年として扱うとしているのは、もっぱら借地人の保護のためで、この期間中は借地人にいやでも借地することを強制するという趣旨でないことは明らかです。したがって、借他人が借地関係を消滅させようとする場合には、期間の定めのない賃貸借を当事者の一方が消滅させる場合の原則的規定にしたがって、借地人が地主に借地関係を消滅させたい旨の通知をしてから一年たった時点で、借地関係は消滅する、と解すべきです。
そのほか、地主が契約に反して土地を借地人に使わせない場合や、例えば地盤の沈下などで土地が借地契約で定めた目的に利用できなくなった場合には、借地の期間が約定されているかどうかと関係なく、借地人はただちに借地契約を解除することができます。
借地人が借地関係の継続を望んでいても、借地人に不都合な行為がある場合には、地主は借地契約を解除して、借地期間満了前であるにもかかわらず、借地関係を終了させることができます。借地人の不都合な行為として考えられる主なものは、地代不払い、土地の不当な利用、賃借権の無断譲渡ないし転貸です。このような借地人の不都合な行為を理由とする解除について共通なことは、些細な不都合や地主の主観だけからいって不都合なことが借地人にあっても、それだけでは地主が解除するための理由にはならず、借地人の行為がかれと地主とのあいだの信頼関係を破談し、その結果、地主にこの借地人との借地関係をこれ以上継続せよと要求することが客観的に考えて無理であるという事情があるときにだけ、解除が認められるという点です。
なお、借地人が破産した場合にも、地主はその一方的意思で借地契約を解除できます。

土地
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