借地の評価

借地に家を建てて居住していますが、地主が地代を大幅に値上げし、承諾を求めてきました。都合によってはこの地所を買い取ってもよいと考えていますが、地価に対してどの程度が相当でしょうか。もしこちらが借地権を他に譲渡しようとすれば、どのような手続をしたらよいでしょうか。また、借地権の価格はどのように評価したらよいでしょうか。そしてこの場合、地主が不承諾のときは、全く譲渡の可能性がないのでしょうか。もし、何等かの方法で譲渡できるものとすれば、価格はどのようにしてきめるのでしょうか。
地代とは土地に投資した資本の回収を意味するものだと思われます。したがって、ある代価を支払って土地を購入してこれを他人に賃貸したときの地代算定はどうするかというに、通常、そのときの投資額の利回りを基礎とします。だから、賃貸契約後に地価が騰貴したからといって、それに準じて地代を高騰させるのは、理が通らぬような気がします。地価が上がったといっても、地主の含み資産が増加したのであって、現実に膨れあがった金額を手にするわけのものではありません。その騰貴した土地が売れてはじめて、増えた金を受け取り、これを預金するなどしてはじめて、金利が得られるわけです。投資額に対しては金利相当を年々地代としていますから、もしそれを複利で積み立てれば、年数を経るに従い財産を回収している勘定になります。住宅地などでは明らかに地代を値上げする理由がありませんが、商業地などでは、そこで商業を営み年々利益が向上しているとき、地主はその分け前を欲しくなるので、その分の地代値上げをするのも一応当然なような気がしますが、これも純理論からはおかしな話で、商業上の利益の分け前を要求するのは、純地代とは別個な問題だからです。

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永く土地を貸していると地主は現在の地価からみていかにも損をしたような気がするのでしょうが、もともと実際の投資額は現在の評価額よりはずっと少なかったのですから、少しも損をしているのではありません。したがって、地代を大幅に上げて承諾を求めることは、当を得ないと考えます。この現在地価相応の地代と旧来地代との差額は、借地権の価格として発生する原因になります。古くから賃借していると、地代値上げがなかなかできないので当初の地代と現在の地代との値幅が大きくなっていますから、その分だけ借地権の価格も大きく、むしろこの際、底地を進んで買われるのが得策でしょう。
近年では、一般地代は少しずつ値上げされていますが、物価の騰貴や税金の引上げ、契約地代と現在の地価から計算した地代との開きの大きいことなどが、値上げの大きな動機となっているようです。しかし、地価が上がったからというだけでは、地代を上げる理由にはなりません。ですから、値上げを拒みつづけることができれば、そのまま賃借をつづけることもよいでしょう。
借地権の価格の地価に対する割合は、東京では、住宅地で70%、商業地で80〜90%くらいになっていますが、地方により異なります。国税局で調査している相続税財産評価基準には、借地権率を場所別に定めてありますが、借地権を評価するにはよい参考となります。永年借りていた土地には借地権が発生していますので、ここに述べた割合の権利価格を地価から控除した価格で土地を購入することができます。建物の敷地である借地は、前に述べたように地価の値上りに必ずしもスライドして地代を要求しうるものではなく、地主の方では折を見て手放したい心理も伴ってきますので、借他人が購入すべき底地の価格は、地価から借地権価格を差し引いた差額より低いものと考えて間違いないでしょう。
借地権を譲渡するには、まず地主の承諾を得る必要があります。地主が承諾したら、借地権の譲渡価格を決定します。借地権の譲渡価格は、地主、借地人、譲受人の三者の思惑が一致しないとなかなかきまりません。それには、不動産鑑定士の第三者的な意見を関くことも必要でしょう。借地権価格の土地価格に対する比率は、上記のように慣習的にきまっています。この慣例化した比率は、土地の利用権者と所有権者との間にある社会的な平等関係がもたらしたものだと考えられています。そんなわけですから、その比率は、平等という立場から見れば50対50であるのか最も公平だと考えますが、金利やその他の事情によって多様になっています。借地権の発生については、潜在賃料の資本化したものだとか、適正賃料と契約賃料との 差額だとか、いろいろの説がありますが、上に述べたような権利の分け前という観念も混じりあっているのでしょう。不動産鑑定評価基準では、借地権は債権債務の契約関係だけから個別的なもののようにいっていますが、それだけではないと思われます。不動産の売買価格でも借地権の価格でも、不動産が存在している社会の中で発生しているものですから、その価格を評定するときは、社会のあらゆる考え方を一応我々の常識でまとめてかかる必要があります。貸手の見方、借手の見方というような一方に偏した考え方だけできまるものではありません。実際面では、借地権の比率が一般に普遍化していますから、それによって借地権価格を算出します。

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