不動産の経済価値

不動産の評価を依頼しましたところ、一般世評よりもだいぶ低い価格をつけてきました。そのことを鑑定士にただしましたら、経済価値はそのようになるとのことでした。いったい不動産の経済価値とはどのような価値をいうのでしょうか。
不動産の鑑定評価に関する法律二条によれば、不動産の鑑定評価とは、土地もしくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示することをいうとされていますが、同法律の解説書は、経済価値とは交換価値のことであり、書画骨董の類の価値ではない、と説明しています。その限りではそれに違いないのですが、それだけではまだ、経済価値だから世評価格より低くてよいのだという、本問の鑑定士の答えについての説明にはなっていないようです。この鑑定士は経済価値というものを、不動産鑑定評価基準に示されている合理的な価値、すなわち、対象物件が一般の自由市場に相当の期間存在しており、売手と買手とが十分に市場の事情に通じ、しかも特別な動機をもたない場合において成立する とみられる適正な価格のことだというと思われます。しかし、このような理論的な価格は、いうことはできてもなかなか現実に見つかるものではないので、不動産鑑定評価基準では、そのような価格を発見するための手順を示しています。この手順は、理論はともかく便宜上こうきめようではないかと一つの約束として定めたものではなく、一般市場で売手と買手が尽くすであろうと思われる必然的な手順をまとめたもので、前の理論的な考え方にかなった理論的な方法であるといえます。この手順の中では、十分に世評価格やその他の資料を集め、売手の立場や買手の立場に立って鑑定士が検討することをきめていますので、経済価値だから世評価格より低いとか高いとか一概にいうことはできないと思われます。本問の鑑定士が経済価値だから世評価格より低いのだといったのは、手順を尽くして評価した結果そうなったのだということを簡単にいってのけたものです。また、依頼者の考えていた世評価格の意味は評判の高値のことだったのかもしれませんから、注意をしなければなりません。
最後に、一般の常識から考える価格でも経済価値といえると思うかでは、本来不動産の世評価格というものは市場人の常識のうちに発生するものですが、この市場人というのを広く考えると、必ずしも市場取引専門家という意味ではないようです。ですから、それは一般市場での交換価値であり、経済価値といえるとは思いますが、そこに発生している世評価格が正しいかどうかに問題があり、それか正しいかどうかは鑑定評価制度による鑑定士の判断に委せるより仕方がないのです。

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