競売への参加

強制競売においても任意競売においても裁判所は競売開始決定をした後、鑑定人に不動産の評価を命じ、また執行官に不動産の賃貸借の有無の取調べをさせます。そして鑑定人の評価額を斟酌し、最低競売価額が定められます。競売の目的物を換価する方法としては、競売と入札払いとがありますが、競売が原則であり、入札払いはごく一部の裁判所において例外的に行なわれているにすぎませんから、まず競売について説明します。
裁判所は、最低競売価額を定めた後、競売期日および競落期日を定めて公告しますが、公告される事項は、不動産の表示、租税その他の公課、賃貸借がある場合はその期限、借賃、最低競売価額等です。公告は裁判所の掲示板および不動産所在地の市町村役場の掲示板に掲示するのが原則であり、新聞への公告は補充的になされるにすぎません。実際にも、新聞公告は費用がかさむため、大都市の裁判所において比較的高額な不動産について行なわれているだけのようです。したがって、一般の人が競売期日を知るには裁判所へ問い合わせるなどしな ければならず、競売ブローカーのみが競売期日に参加する一つの原因となっています。

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競売期日は、裁判所内で聞かれるのが原則ですが、まれには不動産所在地の市町村役場で開かれることもあります。競売期日は執行官が開き、まず競売に参加した人に記録閲覧の機会を与え、特別の売却条件、例えば、農地または採草放校地の競売の場合には、競売申出入を知事の発行する競売適格証明書を有する者に限ること、保証金を競買申出価額の10分の1よりも高くすることなどがあれば、これを告げたうえ競買の申出を促します。競買入は、最低競売価額以上の買受価額を申し出て、直ちに保証金を執行官に預けなければなりません。保証金の額は、通常は競売申出価額の10分の1ですから、それに相当する現金または有価証券を持参する必要があります。競売申出人が数人あるときは互いにせり合うことになるわけですが、他の者からさらに高価な競売の申出があるまで、競売申出を撤回することは許されず、さらに高値をつけるときは、保証金を追加しなければなりません。
競売の申出に対して高値をつける人がなく、かつ、執行官が競売の申出を促してから満一時間を経過すると、執行官が最高価競買人の氏名とその価額を呼び上げた後、競売期日の終局を告げます。他の競売人は保証金の返還を受けます次に裁判所は、競落期日を開き、最高価競売人に対して競落を許すかどうかを決定します。この競落を許す決定を競落許可決定といいます。もし競売期日において最低競売価額に達する競売の申出がなければ、競売を打ち切り、最低競売価額を相当程度下げ、改めて競売期日を指定して、競売のやり直しをします。これを新競売といいます。なお、競売ブローカーがぐるになってお互いに値段をつり上げたりして素人の競買の申出を妨害する例もみられますので、注意が必要です。
競売に参加するには特別な資格は要求されていませんから、一般に売買契約を締結する能力および不動産を取得する資格がありさえすれば誰でも競買人となることができます。能力に制限を受けるのは、未成年者、禁治産者、準禁治産者であって、これらの者はひとりで競買の申出をすることはできません。資格の制限を受けるのは、一定範囲の外国人が不動産を取得する場合とか、農地の競売など、ごく限られた場合だけで、後者の場合には、知事の発行する競買適格証明書を有する人のみが、競買申出の資格を有します。強制競売においては、競売を申し立てた差押債権者も競買人となることができ、任意競売においては、抵当権者、債務者、所有者も競買人となることができます。また、本人が競売期日に出頭しなくても、代理人によって競買の申出をすることもできますが、その場合には委任状を執行官に提出する必要があります。数人の人が共同して競売の申出をするときは、各人の取得する持分を示して競買の申出をしなければなりません。
入札払いというのは、買受申出人が、封をした書面で執行官に対し買受価額を申し出て、執行官がその中で最も高い価額で入札した者を落札者とする、という方法であり、強制競売にも任意競売にも行なうことができます。強制競売の場合は、利害関係人から入札払いの方法で換価してほしいとの申立があるかまたは裁判所が職権で入札払いを採用することを決めた場合にすることができますが、任意競売の場合は、利害関係人の申立のみによってすることができる、という違いがあります。入札払いの方が一般の人は参加しやすいのですが、他人の買受希望価額を知ってお互いに競争するということがありませんから、高い値段で売却できないという欠点かおることと、競売ブローカーの談合がよりやりやすくなるという弊害があるため、入札払いによる例はわずかです。
競落許可決定があった場合、いつまでに競落代金を支払わなければならないでしょうか。強制競売の場合は、競落許可決定が確定した後、裁判所が代金支払期日を指定して呼び出しますから、それまでに代金の用意をしておけば足ります。任意競売の場合は、競落許可決定か確定した後ただちに裁判所に代金を支払うべきですが、実際には代金支払期日を定めています。しかし、競落人が代金を支払う前に債務者が債務を完済すると抵当権が消滅し、競落人は所有権を取得しえないことになりますから、代金支払期日を待たずに早く支払うべきです。
競落代金は、保証金を控除した残額を現金で裁判所に支払います。差押債権者または抵当権者が競落人であるときは、保証金のほか配当または交付を受ける金額と手続費用をさらに差し引いた残額のみを支払えば足ります。

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