住宅地の土地利用計画

都市圏と都市の土地利用計画では、都市地域における土地利用の配分計画にあたって、土地利用相互の関係を都市の機能の組立てとして検討すると同時に、土地利用種別ごとの立地要求に適合するように計画しなければなりません。このため、住宅地の立地要求とは何かが問題となります。また、計画住宅地の開発を行なう場合にも、住宅地の立地条件を検討して開発地域が選定されます。住宅の立地要求と住宅地の立地要求とは、明らかに異なったものです。それは、個々の住宅の場合には立地条件であったものが、住宅地にとっては住宅地内部で整備すべき条件となるものがあるからです。例えば騒音、振動、粉塵、悪臭等の局地的公害のおそれがないという条件は、個別の住宅にとってはきわめて重要な立地要求ですが、住宅地にとっては内部において用途規制を行なうことによって公害要因をとり除くという整備条件であって、立地条件とはなりえません。都市圏あるいは都市の段階の土地利用計画においては、住宅地としての土地利用配分が考えられているのであり、したがって考慮されるべきはあくまで住宅地の立地要求です。

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土地

住宅地としての立地要求の一般原則として、業務地域や娯楽地域へ大量輸送機関や幹線道路によって容易にゆけるような位置、広大なオープンスペースヘの接近性、コミュニティ施設へ容易に歩いてゆける距離、交通や不適合な用途から保護されている地域、変化のある地形、ただし低混地および15%以上の傾斜地はさける。
ここでも、住宅地内部の整備条件と立地条件の混乱がみられます。たとえば、コミュニティ施設への接近性などは、住宅地内部の構成計画の課題で、都市の土地利用計画における立地要求ではありません。ここであげているものは、最後の地形的条件を除けば土地利用租互間の関係です。日本における住宅地の立地条件の研究としては、東京大学による住宅団地の立地条件に関する研究があります。これは、住宅団地という計画開発地における立地条件の研究であり、一般的な住宅地の研究ではありませんが、その中で次のような項目を立地条件としてあげています。また同じく住宅公団の委託研究で、昭和41年に行なわれた研究では、これらの立地条件が、住宅地開発およびその後の都市整備によってどのように変えられたかを検討しています。
交通条件よりみた適地度(職場との関係、都市中心地との開係、交通機関の整備の状況、最寄駅との関係)
日常生活に必要な都市施設の利用面よりみた適地度
居住環境よりみた適地度(自然環境、保健、防災などよりみた環境)
建設および経営経済よりみた適地度
都市計画よりみた適地度(用途地域制、道路、公園、各種都市施設の将来計画)
ここであげられている立地条件の中でも、住宅地の開発規模が大きくなると、立地条件から、住宅地内部の整備条件に転化するものが数多く含まれています。例えば地域のコミュニティ施設整備は、地方自治体財政に過重な負担をあたえ、問題があるにしても、結局、整備可能なものであり、根幹施設を除く道路、上下水道、公園などの整備は、都市計画法においても、住宅地開発側の整備条件として規定されています。また、それ自体変更することのできない自然条件の中でも、地盤、地形等は、土木技術的手段で改良することが可能です。これらの住宅地開発の側で整備可能な立地条件については、都市域の土地利用計画の中で絶対的条件と考えるのではなく、住宅地内部の整備の中のコストの問題として扱うべきです。

土地
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