土地利用計画と概念

土地利用計画の目的は土地の最も合理的な利用を現在、将来にわたって確立することにあります。土地利用計画では、この合理的利用を確立するために、土地をいかなる目的のために、いつどの程度に利用すべきかを決めます。その決め方にどれ位の量の土地をという量的側面と、具体的にどの土地をという側面とがあります。前者は土地需要推計の作業であり、後者は土地利用配分計画の作業です。土地利用計画の具体的内容は、計画が扱う地域の広がりによって異なってきます。自治省の土地利用計画構想では、土地利用基本計画と土地利用詳細計画の2段階に分け、前者を都道府県が、後者を市町村が策定するものとしています。ここでは、土地利用計画の段階を全国的な国土総合開発計画の段階と、都市域の段階、および地区計画的段階の三つに分けて考えてみます。

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全国的な国土総合計画的段階の土地利用計画は、もっぱら土地利用計画の量的側面が重視され、経済、産業発展計画、所得計画、人口計画などのいわゆるフレームワークに応じて、土地需要量を推計し、その供給手法、供給主体および供給すべき地域をきめることなどが主要な内容となります。土地需要量の推計は都市的土地利用と非都市的土地利用に区分され、都市的土地利用は住宅用地、工業用地、公共用地等々の大まかな土地利用に区分され推計されます。住宅用地に関しては、住宅種別、供給方式別に宅地需給計画が作られています。全国的段階の土地利用計画のフィジカルな側面としては、これらの土地需要量を地域にブレークダウンすることですが、それはせいぜい都道府県、または大都市圏の段階までであり、その配分方法も、もっぱら産業、人口の地域配分計画に応じたものとなります。
都市圏および都市域の土地利用計画では、土地利用計画の量的側面と、空間計画的側面とを合わせて、土地利用の組立を計画します。量的側面は都市の将来の性格、産業規模、人口等の推計に基づき、また全国的土地利用計画からのブレークダウンとの関連を調整しながら、都市圏の土地需要量を用途ごとに推計することが主要な内容です。空間計画においては、都市機能のくみたて計画が重視されなければなりません。工業、商業、業務、住宅、レクリエーション、農業などの機能をその相互関係およぴ立地要求に応じて、都市圏内に配分し組みたてます。交通施設、供給処理施設系統の計画との調整は、もっぱら都市機能の組みたてと施設需要の発生の仕方との調整という観点で行ないます。したがって、既成市街地、市街化区域、非市街化区域などの地域区分、および住居、工業、商業、業務というような大まかな土地利用区分を概念図的に表現し、配分された都市機能の量と土地面積が示されていればたります。土地利用区分の表示は厳密である必要はありませんが、市街化区域と非市街化区域の区分は、この段階で明確に定めておく必要があります。
土地利用計画の地区計画的段階は、土地利用のより細かい計画と、規制の手法、および建築敷地、道路等々の施設の計画をもったものとなります。それはミクロの都市計画という言葉で呼ばれるように、地区あるいは街区という単位で考えられる必要があります。建築の集団規制を、いままでのように都市域の土地利用計画の段階できめるのではなく、地区の具体的建築群のイメージをきめるものとして考えてゆく必要があります。北欧の都市計画では、地区の土地利用計画は詳細な建物配置、建築形態、用途の規制を含むものであり、直接建築群のイメージを表示しています。日本のいままでの地域地区制では、建築群のイメージはおろか地区の総密度さえ厳密には規定できませんでした。しかし、今後は北欧の地区計画ほどの直接的現定でないにしても、より詳細な用途区分と、より直接的な形態規定をもった地域地区制をもつことにより、地区計画への接近をはかる必要があります。さらに、将来においては、特定街区あるいは建築協定の制度を発展させた詳細計画の制度をもうけるべきであるという主張があります。計画住宅地の土地利用計画、建物配置計画はこの段階の土地利用計画であるというべきですが、このようにして計画的に作り出された土地利用が、将来変更され、くずれてくるのを防止するための保護的規制などは、もっとも無理のない形で、詳細地区計画の都市計画決定という制度をとり入れることのできるケースです。
土地利用計画といっても、このようにスケールの段階によって内容が異なってきます。したがって、住宅問題、土地問題と土地利用計画の関連も計画の段階によって異なってきます。全国的、フレームワーク的土地利用計画においては住宅用地の需給計画、その地域配分計画という面で関連をもってくるし、都市圏一都市域段階における土地利用計画では、都市における住宅地の立地、スプロールの防止などの問題や、住宅地開発と交通施設、上下水道などの居住環境施設整備計画と土地利用の関連が問題となります。地区的段階の土地利用計画では、居住環境の維持と建築集団規判などが重要な問題であり、計画住宅地の建物配置、土地利用計画技術の問題もこの段階での課題としてとりあげられます。

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