借地権および地上権

地上権というのは、他人の土地に建物を建てたり、木を植えたりするためにその土地を使うことのできる権利で、また借地権は土地を借りて建物を建てたり、木を植えたりする権利で、前者は物権であり後者は債権です。地上権も借地権も同じように他人の土地を使って、同じように地代を払うわけですが権利の性質は違います。結論的には地上権は土地所有権者に相談なしで他人に売買できますが、借地権は所有権者の了承が必要です。しかし、借地法によって借地権も宅地の場合は地上権に近い法的保護が認められています。また、地主は多くの場合地上権を設けることを嫌って貸す方を選び、実際には地上権を設けることはあまり行なっていません。いずれにしても、これらの権利は所有権とちがって、それらの権利の行使に一定の制限をうけたり、期限があります。借地権は借地法によると30年の期限を定めているが、民法では5年と定められています。しかし、正当な事由がないかぎり更新を拒めません。

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これら利用権(地上権・借地権)が所有権(利用権に対して底地権という)に対して社会活動を行なっていくうえで、法的な保護をうけていないと、近代的な社会活動を阻害することになります。これら両者の権利の強さを示すものとして、再開発事業を行なったとき、土地代金の両者への配分割合でみると地主が親で借地人が子供であるような例も含まれていて、その場合には、割合は適当に両方の都合の良いようになっています。また不法占拠や、借地するときの条件によって特殊な割合となっているものもありますが、大勢は知ることができます。都市的であればあるほどその利用権の割合が大きく、東京の区部の場合、借地権の相続税に90%も課税された例もあります。一般に、商業地区等の市街地では70%程度、地方都市では60%程度です。中央区の調査によると、市街地の自己所有地を利用している人や借地している人の割合は、自己所有地40.9%、借地54.7%、自己所有一部借地2.8%、その他1.6%となっています。なんらかの形で借地している人は約6割を占め、いかに都市内においては借地権の取扱いが重要であるかを示しています。防災街区造成事業にあらわれた実際の借地権処理の姿をみてみると、蒲郡駅前の例では借地権者が借地権更新のため地主と再三話し合いをしたが調整できず、借地権坪数67.15坪の権利割合が35%で23.50坪を取得する。うち15.04坪を土地で、残り8.46坪を85万円で清算し土地所有者となる。この例は結局、借地権を再開発をきっかけにして所有権に変えた例ですが、権利形態はすっきりしましたが、土地は67.15坪が15.04坪と52.11坪の二つの土地に細分されたことになり、新たな問題を発生させる原因を作っていました。このように、一般には時代に則応して再開発を続けていくためには、再開発のトラブルの原因を一つの再開発で別のトラブルの原因に転移させるだけで、根本的な解決を行なっていない例が多く、蒲郡市の例は特珠であるといってよいと思われますが、一般には次の例のようなものが多い。
立川市の例では借地権者が借地権更新料として地主に坪当り20万円を支払う。借地権者がいた土地に新たに入っていた人が、従前の債地権者に坪当り20万円の謝礼を払い、地主に坪当り20万円の保証金と名義書替料坪当り55万円を支払い、新たに借地権者となる。
最後に、一般の人が、所有権と利用権に対してどのような意見をもっているかを調査した例では、勤め人を主に推測テストを行なったもので実際の行動を測ったものではありませんが、まだ意識として利用権指向型(土地を所有している場合、どちらかというと積極的に貸して収入を得ると答えた型)の地主が望まれているにもかかわらず、いざ自分が地主となったとして考えると所有権指向型(土地を所有していた場合、どちらかというと、草原となっても確実な人以外には貸さずに、まさかの時のためにとっておくと答えた型)の態度をとるというように矛盾しています。権利の調整の例としてあげた蒲郡の例にもあるように、地主は一般に土地を貸して煩わしい思いをしたり、いざという時に自由に使用できないことになったりすることを非常に嫌います。土地に関しては特別な考え方をもって対処しなければならないという近代的所有の観念には、日本の場合まだまだ難しい点が残っているようです。

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