土地所有権

都市再開発において、資金の次に問題となるのは土地および建物の権利調整です。なかでも、土地に関する権利の調整は、権利の種類が多い、権利に対する考え方が近代的でない、権利者が多い、権利の評価に対する考え方が定まっていない等のため再開発を行なって、土地を有効に利用しようとする際に種々のトラブルが生じます。調査によると条件が満たされたら再開発を希望するものが51%で、そのうち、条件として資金の調達をあげているものが57.4%で、権利調整をあげているものが21.2%です。生活利用増進を目的とする再開発において、どのように諸々の権利が調整されていくのか、まず土地に対する権利の説明をし、空間利用という点での権利の種類およびそれらの調整の仕方を概説します。

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土地

土地所有権が法文化されたのは、明治初年の土地改革に始まるといって良いでしょう。この時土地所有権は私権として法的保護を受け、封建的束縛から解放され、所有権の絶対不可侵が確立しました。その後、特に所有権の絶対不可侵の絶対性が地主制の確立に法的基礎を与え、近代的な土地所有権の観念の成立を遅らせました。近代的土地所有権とは、近代社会の特徴である資本主義体制にあう資本制的土地所有のことで、資本家が土地を賃借して営業を営む場合に、賃借権が資本の運動に合うこと、つまり賃借権が所有権に対して対抗力を有することができる所有制度です。つまり賃借権が物権化することが必要です。もし物権化できない場合は、完全に所有権を買いとらないと十分落着いて営業ができません。この点まだ日本の場合十分とはいえません。土地に関して物権として認められているものをあげると、所有権、占有権、地上権、永小作権、地役権、先取特権、債権,抵当権があります。都市の再開発で問題になるのは所有権と地上権と抵当権です。
地役権の中に、日照、見晴しのために建物や木を立てさせないでおくということも含まれますが、あまり例はありません。このほかに、債権として賃借権が土地利用の場合問題となります。地上権というのは、他人の土地の上に建物を建てたり、木を植えたりすることのできる権利です。ただし、作物を作ったり、牧畜を行なうことは永小作権といいます。抵当権とは、金を貸す場合に一定の物を担保としてとりますが、債権者(金を貸す人)がその物をとりあげないで、債務者(金を借りる人)に使わせておき、金を返さない時に取りあげることのできる権利です。当然、所有権が完全な場合は、上にあげた全ての権利を合んだものとなります。
都市内においては、これらの諸権利が輻輳しているうえに、その権利面積が小さく、互いに土地の利用を制限しています。

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