都市再開発の手法

現在の法制を利用して行なわれている都市再開発のほとんどが、商業施設を対象としたものであって、住宅地区改良法による不良住宅地区の再開発を除いては、全部が商業施設であるといっても差支えないほどです。このように都市再開発が、法制のもとで商業施設に集中していることは、それだけ法律の偏りがあると同時に、商業地以外には,余り活用できない欠点があるといえます。そこで、商業施設の場合に、どのように再開発が行なわれているかを見ることによって、現在の手法をある程度理解することができます。商店街で一番多く用いられている手法は、防災街区造成法によるものです。これは、設計料、既存建物の取壊し料が助成され、建築そのものについては融資制度になっています。この法の適用は、大火を防止することから始められており、都市の中心的位置に商店街があることからすれば、都市全体の防災の立場からは有効であると考えられ、商店街が中心に指定されています。また、耐火建築を建てることを目的としているので、防火地域の指定も必要であることもあって、商業地域が主体になっていますが、今日では余り防災的な検討はなく、ただ建て替えて耐火建築にするものとして受けとられています。この法律の一番の欠点は、地区内の権利者の全員の賛成が得られないと動き出さないことで、利害の対立する人や、この地区内で将来営業を続けることが必ずしも好ましくない人たちに他の地区に移転してもらうことを加えると、反対が多く組合を設立することが困難になります。もう一つの欠点としては、この法律は建築物に対するだけであるので、従前の土地の区画割、宅地割がそのまま継承されて、ただ敷地境界線上に隔壁を設ける程度の共同化しかできないために、地区内の人達で、共同施設を造成する等の質的改善を伴うことが至難です。

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土地

この法の適用される場合には、大きく二つの要因があります。第1の要因は、都市計画事業、例えば道路の拡幅、区画整理等によって、今までの建物を取り壊さなければならなくなったときのように、外部的な強い力によって引っぱられる場合であり、第2は、商店街内部の矛盾が表面化した場合です。この後者の場合には、発展途上にある地区では、少しでも店を拡張したいと思うし、また寸土を情しむようなこともあって、共同化によって歩調を合わせるような時間的余裕がなく、どちらかといえば個人の力で十分建築できるので、債極的に防災街区の適用を受けようとはしません。ただ、小範囲の人達が集まって行なう場合がありますが、その例は少なく、それよりも経済地盤が沈下して、個人の努力では、現在の沈下を防止することができない場合、共同の力によって起死回生の策として防災街区の指定を受けることが多くあります。この場合でも純粋に経済地盤沈下のみが要因で再開発する場合は少なく、その時には返済能力の点でなかなか意見の一放が見にくい。
もう一つの都市計画事業としては、市街地改造事業があります。これは公共施設の整備を目的としているので、20m以上の道路を建設したり,6,000平米以上の駅前広場を造成する場合に適用されますが、事業費が多額になるのであまり適用されていません。この法律の特色は、既存の権利を一度地方公共団体が買い上げて、地区の整備を行ない、建物完成後にそれを売却することになっているので、事後買取りをしないで出ていく権利者の権利を買い取らねばならず、また建築費を一時立て替えることもあって、相当の資金が必要になり、また強制権の及ぶ範囲をそれほど大きくすることもできず、また保留床の処分をしやすいためにも、余り広範囲に事業区域を広げることができないので、路線的開発になりやすい。このいずれの方法をとるにしても、商店街の再開発においては、事業を通じて地区の繁栄がもたらされることがなければ、なかなか事業に取り組むことが難しい。その場合に多くの権利者が納得するだけの客観的な裏付けが必要です。そのために、商圏調査を行なって、人口の伸び所得の変化、地元消費率を求めて、商店街を囲んでいる環境条件の算定を行なう必要が生じてきます。商店街全体としての経営を見ると同時に、再開発に加えられる人を集めるための施設の投資効果を予測して、現在もっている販売額と、今後期待される販売額の差を求めて、それより期待される再開発効果を求めます。特に再開発においては、既存の商店街がもっていた力をさらに促進するような新しい魅力を付加することが一番大切です。これが再開発の効果を支配するので、どのような施設を共同の力によって実現するかが、計画立案の際に一層重要な課題となります。

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