住宅立地と交通

住宅適地が見つかっても、地価そして交通費などの住宅立地条件に制約されます。ある区域の地価は、住宅需要、宅地需要が多いほど相対的に高まってきますが、それは都心への接近性、交通機関の便利さが良好な区域ほど需要があり、ひいては地価を高めていることがわかります。大東京間のような大きい区域でみると、地価の等価線は交通機関が発達した内部では、都心からほぽ同心円状になっていますが、外周部から郊外にゆくにしたがい、鉄道沿線に放射状に高い等価線が延びており、そこに住宅需要が集まっていることを示しています。現実に私達が住宅を建てるため土地を買おうとすると、最終的には経済面によって制約を受けることになります。土地を購入する資金が決まっている場合、都心により近く、交通が便利な場所を求めようとすれば地価が高くなるため、求めうる土地の面積は狭くなり、外部環境をある程度落とさざるをえなくなります。過密を避けて環境を良くするため広い土地を得ようとすれば、地価の安い遠隔の場所を選ばなければなりません。

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土地

都市への人口、産業の集中は、都市の発展、繁栄をもたらすものですが、反面その集中がきわめて急激であったり、それに対する施策が十分でない場合には、特に都市生活面において種々の弊害や問題を発生します。住宅問題、土地問題、交通問題、公害間題などがそれであって、発展していく都市には多かれ少なかれ存在する都市問題ですが、大都市において特に顕著です。
多くの都市問題を施設的な問題に限ってみると、住宅問題といい交通問題といい、ますますそれらが深刻になってゆく根底には、土地問題が絡んでいます。また、土地問題を通じてそれぞれの問題は関係し合っています。それは土地が固有にもっている性格によるからです。土地は売買される面からみれば財産であり商品であり、所有権のない土地はありません。しかし商品であっても、ある場所に固定していて同質のものはありません。新たに生産することは、埋立てのような例外を除いては不可能である一方、滅失したり滅耗することはまずありません。そして、私達の生活、活動はすべて土地を基盤として行なわれ、なんらかの形で収益を上げうる資本です。都市という限られた区域に、人口や産業が集中すれば当然土地の需要は高まりますが、使いうる土地の供給には限度があります。人口や産業の集中が急激であり大規模であるほど、土地の需要と供給のバランスは崩れ、地価は当然上昇します。これに物価上昇時代の売り惜しみや買占など投機性が加わってきて、さらに高騰します。現在の都市化時代の土地問題は、まさに地価の高騰とそれによる土地の取得難にあります。したがって、住宅は建てるべき土地の取得が困難であることによって制約され、地価が高いために敷地が狭小となり、それに伴って住宅も狭小となり、低質で過密な住宅地を形成するに至ります。その典型的な現われは,木造賃貸アパートや文化住宅と称される過密の建売分譲住宅にみられます。
土地住宅に拍車をかける要因に、日本の住宅対策の遅れ、住居水準の低さ、そして狭くて質が悪くとも、庭付き住宅への欲求の強さがあることに注意しなければなりません。大部分の住宅が民間に依存し、持家政策を推進することは、利用度が低い低層の市街地を形成して土地の需要量を増し、個別の需要件数を多くします。上下水道が整備されていなくとも住めるという住居観から、誰でもが土地さえあればなんとかなると考え、土地を持とうとします。その一方で安い地価の土地を求めるためには、交通の不便な郊外に行かざるをえません。このため都市の内部や周辺部になお空閑地があるにもかかわらず、それを残しながら住宅は遠郊部へと立地し、市街地は無秩序に分散的に拡大して行きます。
その結果、道路、上下水道などの公共施設の効率が悪いため整備が遅れるのみではありません。都心等への職場から離れるために遠距離通勤を強いられ、さらに地価の安さからくる家賃の安さも、高い通勤、通学費で相殺される結果になります。また交通機関の整備改良が、周辺地域に急増する通勤人口に追いつかないことは、混雑度を増して通勤地獄といわれる混乱を生じてきます。このように、土地問題特に住宅地に関しては通勤交通の問題を派生させます。
また最近では交通機関を整備増強するため、新線を敷設しようとしても、地価の期待価格による高騰のため、建設費の半分以上を用地費が占める場合もあり、この点からも交通機関の整備は遅れ、土地問題と交通問題とは悪循環となり、ますます深刻さを増しています。
以上のような住宅の遠距離分散に伴う通勤問題とは別の問題があり、自動車の普及による住宅地内の交通の変化であり、その結果起こる交通事故です。自動車の発達による住宅の遠距離分散の問題もありますが、日本の現状では、住宅地内の自動車交通が当面の問題です。幹線道路を除いてほとんど歩車道の区分がない狭い道路に、スピードのある自動車が流れこめば、騒音や排気ガスの害以外に、忌わしい交通事故が発生しやすく、自動車がさらに普及するとすれば、住宅地の道路構造、道路形態を改めることが必要となります。しかし、既成市街地の道路を拡幅するための改造事業を行なうには、用地取得に多額の費用がかかり、また、狭小な敷地はさらに零細化するおそれがあります。

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