宅地開発事業の到達点

現在までの宅地開発事業が、その本質的な到達点をどこにおくかについては、次のごとくです。第一に、現在の宅地ならびに住宅事情は、到底個人にまかされても解決のしようがないものであり、したがって、公的な供給をもっとも上手にかつ強力に行なうことが必要です。そのためにはまず、供給の前提となる用地の取得を強化することであり、次には開発資金として、民間資金を動員することです。さらにこのようにして開発、供給する事業を効率的なものとし、少しでも効果のある供給を可能にするようにすることです。第二は、都市の構造や土地利用状況、ならびに機能は、都市の発展とともに変化するものであり、都市への人口、機能の集中とともに、昨日までの適地がタ今日では不適地になるような激しい変化に見舞われています。このような状況に対するてだては、これ以上適地性に悪影響を与えるような変化を許さないか、あるいはそれをカバーするような施設を地域に補充し、さらには構造改革を行なうことです。

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土地

私的所有を否定する区域を設定し、公的収用を行なうことの立場を徹底すると、大都市周辺の土地をすべて公有にすることです。したがって、公的収用の区域は広いほど徹底しているという見方です。新開発では、1団地の住宅経営が新住宅市街地開発事業まで到達しています。そして宅地審議会の新市街地開発事業があります。これは、土地所有者の負担と利益享受の公平を図り、あわせて公的機関において新市街地開発のための中核となるべき施設、建築物等のための用地を取得するため、一定要件を備えた区域について、公的機関が土地を一括強制取得し、宅地開発事業を行ない、従前の土地所有者に造成宅地を原価で還元譲渡するものです。そしてこの事業は、新住宅市街地開発事業の規模より、ずっと大きい規模を想定しているのです。
また、再開発では、住宅地区改良事業のみです。再開発は新開発と異なって、土地所有の細分化、権利関係の輻輳化、各筆ごとの建物補償、生活補償等あって、より広汎な区域の事業化は困難です。しかし、提案としては,第58通常国会で廃案となった都市再開発法による市街地再開発事業があります。この事業は公的機関による公的取用をもった宅地開発事業というよりも、関係住民による土地区画整理事業の立体換地方式といった方が適切です。しかし、公的機関が収用権をもった、より広域な再開発事業ということもできます。新都市計画法においては、建築制限の対象をすべての都市施設に拡大し、都市計画、事業認可とともに、土地の先買権を施行者に付与しています。このように、現下の都市問題はますます土地に対する私権の制限の方向に進んでおり、この方向をより現実的に進める道は、いかにして制限された土地を公的機関が買取り、活用するか、そのための資金の問題にかかってきているといえます。
民間資金を活用し、公的供給の拡大を図るものとして、現在行なわれている住宅公団に対する生命保険会社の金融とか、小さくは個人の資金を利用する宅地債券・住宅債券までありますが、ここでは、民間企業自らを宅地供給という事業に参加させ、供給量を増加させるための手だてをいかに強化するか、という観点で整理してみます。
宅地供給を目的とする法人には、個人に近いものから中小宅地造成業者、私鉄の不動産業者まであり、ここでは、一定水準以上の宅地を供給しうる法人に限定して考えることとします。住宅金融公庫の宅地造成融資の枠を広げ供給を確実化する。開発後の市場独占権の付与等によって宅地供給法人の参加を促進すること。住宅地造成事業法にみられた民間法人への規制と援助。ここでいう規制とは、一定の都市施設を備えること、事業の許可制等であり、援助とは、公共施設をその管理者が法人から引継ぐこと、農地転用の緩和等です。民間の計画的開発者には収用権を与えること。ただし、建築形態、供給方法までを含んだ土地利用計画の先行を前提とします。民間事業のみで計画開発を行なうと採算が合わない場合、公的事業を併行させることができる手法の適正な導入。
公共的機関の開発に民間資金を参加させる。この点についてはすでに住宅公団等にみられるのであるが、より徹底化した民間資金の参加を提案しています。公的機関による開発地は、土地の高度利用を行ない、宅地供給の効率を高めること。現在の中高層集団住宅すなわち公営・公団・公社住宅のより効率化をはかる。宅地適地を生み出していることになる公共事業の開発利益受益区域は、公的先買いを行ない、あるいは受益者負担金をとることで、投資効率を高めること。または、公的大量開発区域の立地性を高めるような公共投資を行なうこと。公的開発の開発利益を自ら取り入れる手法。これは大規模ニュータウン開発にみられるものです。先買権による布石開発。これは、宅地対策への現実主義的な提案として掲げられたものです。まず都市内の土地を買えるところだけ公共団体が買い、それをもとにして点と線の公共施設網計画をたて、土地を交換し、または買い足しつつ形を整えていく方法です。この際土地の入手は、都市全域に公共団体が設定した先買権の行使によります。

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