標準価格地域

土地評価の前段的な作業として、雑多な価格要因を等価地域の概念にしたがって単純化することは、土地を規格化するための方策です。それは、用途や立地条件による有用性の地域差を同類地域として限定すればよいのであって、行政措置としての地域地区制における考え方と同じです。なお、新都市計画法は第8条で、住居地域、商業地域、準工業地域または工業地域の用途地域と、16の地区制を規定しています。複雑多岐な価格要因を鑑定評価手順の立場から整埋すると、地域的に共通している価格要因と、個々の画地が具有している価格要因とに大別されます。た例えば住宅地域における駅までの距離は画地毎に差異がありますが、それにしたがって価格差が生じるというものではありません。地域的な価格差は5分から7分の徒歩時間距離に現われるものです。したがって、5分から7分の徒歩時間距離地域は、他の価格要因が等しい限り等摘の立地条件地域ということができます。ところが、その地域内の個々の土地についてみると、地形、道路に面接する間口、間口と奥行との関係、方位、傾斜、面積など一様ではなく、その状態によって利用価値に相違が生じます。かくて、土地価格は、第1段階で等値と認められる地域における共通の価格要因を価値判断して地域的な価格を求め、次に土地自体の個別的な状態を調査して、先に求めた地域的な価格を修正するという評価原則によって求めるのです。標準地価格は第1段階の地域的な価格を求める合理的な資料です。つまり、限定された等価地域内で、その地域全体の標準的な画地を選定して、地域の標準的な価格として求めたものが標準地価格です。他の目地の地域的な価格は、この標準地価格を比準して求めるため、恣意的な取引事例価格を比準するよりも容易、確実です。

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土地

地価公示制の実施における実務の第一は、対象地域内の立地条件を調査して等価と認められる地域を設定することです。例えば駅からの乗車客の流れをみて一定距離区間の市場性の等価を判断するという如きです。したがって、用途によって異なる立地条件についての知識と、実地について判断しうる実務経験が必要です。次に標準価格地域の調査、設定に際してとりあげられる立地条件の一例を用途別にあげてみると、これらの立地条件は、価格要因を抽象化した概念を指導理念として判断すると判り易く、要約すると、商業地域の価格要因は場所の取益性であり、工業地のそれは場所の費用性である。また、住宅地の場合は場所の快適性と費用性だということができます。しかし、公共用地の場合はそれ自体に目的がないので従属性というべきです。
標準価格地域の調査は、国土地理院の地形図や、都市計画図、空中写真図などで予め調査計画をたてて、その図面と実地とを照合しながら近隣一帯の状態を調査して行ないます。その結果を調書と図面に記入することはいうまでもありません。
標準土地は、標準価格地域内で標準的な価格を求めるための位置のモデルケースです。例えば米作の収穫予想を行なう際に坪刈の場所を選定するのと同じです。したがって、立地条件が最高であってはなりません。代表的ということも適当でなく、平均的、標準的な場所に位置する土地であることが要件です。また、現実の利用状態は問題とする必要がありません。求める価格は現在の利用状態を考えないでその土地の客観的な用途と利用規模を想定した客観的な価格だからです。なお、場所は標準的だが、その位置の土地の画地状態が標準的でないというような場合は、標準的な画地を想定すればよい。しかし、そのことを調査票に付記し、図面には標準的な画地としての地形、面積を点線などで表わしておかなくてはなりません。
標準土地は、1個の標準価格地域に1カ所と限られるものではありません。設定された地域全体からみて2カ所または3カ所を選定してもかまいません。しかし、同一地域内で数カ所選定した標準地の価格差が甚だしいときは、標準価格地域をそれにしたがって区分することはいうまでもありません。

土地
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