区画整理中の土地売買と登記請求は

 市の地域内ではあるが、農村部の一部が区画整理中なのです。そのことを知らず三三〇平方メートルほど買ったので、登記所にいったところ、現在、区画整理の事業終了の告示後で登記簿が閉鎖されているから、登記の受付はできないといいます。二重売買の危険があるので、裁判所の仮登記仮処分の命令をもらって、実行したいと思うのですが可能でしょうか。

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 区画整理というのは、地域内の「土地について、公共施設の整備改善および宅地の利用の増進を図るために」土地区画整理法という法律の手続きにしたがって行なわれる公共事業の一種です。
 区画整理事業は、土地収用法と同じように、個人の財産権、殊に土地の所有権 を侵害するわけですが、ある意味では、収用よりは、一段と不利益な制度なのです。というのは、収用法を適用する場合は、必ず補償前置主義が認められ、「補償のないところに収用なし」という原則が適用されるのです。
 ところが、区画整理法では、地域内の地主または借地権者が、一定の割合で、その権利を無償で提供するのです。その提供する割合を減歩率というのです。多くは三割の減少率で施行します。
 所有権者、借地権者から、一定の減歩率で土地と権利を提供するのだから、次々に、従来の土地面積よりは少ない地所が交付されることになります。これを仮換地といいます。こうして、一人一人、仮換地を施行して、最後にそれが結了したとき、はじめて換地処分が完了するのです。
 換地処分が完了すると、国土交通大臣が区画整理終了の告示を官報にするのです。そうすると、従来の土地登記簿が閉鎖され、起業者から、新たな地番、地積、所有者等の関係書類が一括提出されるまで、登記薄が存在しないのです。そのため、その土地が、事実上売買されたとしても、それを表示する方法がありません。
 つまり、区画整理事業は、一人ずつ仮換地を続けていって、苦情があれば、訴訟されたり、異議申立てをされたりして 何年か、何十年の間の継続事業だから、相当の期間を必要とするのです。
 しかし、区画整理の事業の進行中は、従来の土地登記簿は存在するので、その対象地の土地の売買は、この旧来の登記簿を利用して、土地所有権の移転登記はできるのです。ただし、区画整理事業の仮換地、換地処分は、その取得者に対しても効力があるから、登記簿の記載どおりの地所を入手することにはならないのです。
 ところが、区画整理が終了すると、登記簿は閉鎖されるので、新しい地名、番地、地積、所有者に関する関係書類が、起業者から登記所に提出されるまでは、区域内の土地登記簿は存在しないと同様になるので、長い期間ではないが、この間は権利移転の登記はできない。仮登記仮処分命令をとったとしても、登記簿がないから、すぐさま登記簿に登記されることはないが、受付簿には記入されてあるから、いちおうの対抗力は存在するので大丈夫です。

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