一度定めた値段は変えられないか

 AさんはBさんから家屋を買いうけ、先日引越しました。家財道具の整理が一段落してよく調べてみると柱の芯が痛んでおり、取替なければならないほどでした。買値をきめたときには、予想もしなかったことですが、このようなとき、売主に対して、代金の減額請求などはできないのでしょうか。

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 土地や建物などを買う人は、その土地や建物をみて価格を定めますが、それだけでなく、必ずその登記簿をみなければなりません。
 土地は未登記のものはないといってよいのですが、家屋が未登記のときは税務事務所にいって、固定資産台帳をたしかめます。
 もっとも大切なのは、抵当に入っているかどうかですが、その他にも地上権、賃借権の登記の有無、坪数のちがい、仮登記、仮処分、仮差押えの有無、家屋であればその構造、土地であれば地目などをよく確かめておかなければなりません。
 しかし、家屋自体もよく調べて買ったのだが、あとになって、いろいろなキズを発見することがあります。
 たとえば、
 (1)買うときに普通の注意を払ってもわからなかったけれども、壁の中の柱が白蟻に食われていたという事実があり、この修理には、相当な費用がかかります。
 (2)三〇〇平方メートルあるはずの土地が二七〇平方メートルしかなく、実測結果と契約上の面積と違っている。
 (3)建増しをしてそこを製材室にしたいからという話をして買ったのに、都市計画法で効力を用いる作業場を建てられない地域だった。
 このような場合は買主が、それをもしはじめに知っておれば買うはずがないというのであれば、契約を解除して買うのをやめることができます。
 また買ってしまったものは仕方がないとして、せめてそのキズの分だけ代金をまけてくれるか、またはキズのあるものを買ったために受けた損害を賠償してほしいというのであれば、その請求を売主にすることもできます。
 やや詳しくいうと
 (1)のように普通の人にわからない欠点をあとで発見すればその修理費用と、これによって生じた損害があれば、その金額とを請求できる。大虫くいで修理しても、住むことができない程度であれば、売買を解除して代金を返してもらい、損害の賠償を要求することもできる。
 これらの請求は、そのキズを知ってから、一年以内に行なわねばならない。
 (2)のように坪数不足のときは、はっきり坪数をきめて買い受けたのであれば(一平方メートルいくらという単価をきめて売買したような場合はその適例)、買主は不足分だけ代金を減額せよと要求することができ、その他三〇平方メートル不足したことによって受けた損害も売主に請求できます。
 また、坪数が不足なため当初の目的の建物が建てられないなど、売買の目的が達せられないのであれば、解除することもできます。
 ただし土地を買うとき、ヌケ目のない売主はいろいろな契約条項を記載します。
 「第○○条、本件土地の坪数は公簿上の面積によるものとし、実測上増減を生ずるも、相互に増減額の請求はしないものとする」このような規定があれば、たとえ坪数の不足が発見されても、代金減額の請求のできないことはもちろんです。契約書をよく見ることが必要です。

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