無権利者から買い受けたときはどうするか

 Aさんは、土地を買おうと思い、顔見知りの不動産屋のBの案内で土地を見にいくと、Bは、この土地は、Cさんのものだが、私が全部まかされているといって、Cさんの委任状を見せてくれましたた。すっかり信用したAさんは、さっそく、契約を結び、手付として五〇万円支払いました。契約書には、ちゃんとBがC代理人Cと署名して、委任状も添付されています。
 ところが登記の日になってもいっこうに登記してくれないので、今まで会ったことのないCさんのところにいってみると、Cさんは、Bなんて全然知らないといいます。こんなとき、Cさんに残金を払って登記を移してもらうことはできないのでしょうか。

スポンサーリンク

 つい最近も、なんの権利もないのに、代理人と称して土地を売り、受け取った代金を着服してしまった詐欺師が警察に捕まりました。
 地面師と呼ばれる土地専門の詐欺師などは、委任状はもちろん権利証までも偽造します。委任状だけを信用して、一度も本人と会わないというのは、土地のように高額な買物の場合は、きわめて危険です。
 ところでAさんの場合ですが、Bの示したCさんの委任状が本物かどうか問題です。
 もし、その委任状がBの偽造したものであれば、Cさんに対しては何の請求もできない。結局、Bに損害の賠償を請求する以外に方法がありませんが、こんな場合は、ろくに財産もないだろうから、民事訴訟にもちこんでも無駄手間になりかねません。
 もっともBの行為は明らかに詐欺であるから、刑事上の責任を追求して警察に告訴はできるし、その間で示談という可能性はあります。しかし、その委任状が、本当にCさんから出ているのであれば、問題はまったく違ってきます。
 この場合、Cさんは、土地の売却の依頼はしなかったとしても、なんらかの事務を乙野にたのんだことがあるに違いありません。
 そうすれば、法律上表見代理といって、Bを代理人に選んだ以上、BがCさんのたのんだこと以上のことをしても、またBをすでに解任していたとしても、BさんはCのした行為の責任を負わなければならないことになり、AさんはCさんに契約通り土地を売れということができます。
 もっともAさんが、普通の取引上なすべき注意を怠ったとか、そのときの事情からいって、もはやBは代理人ではなくなったということがわかるはずだというような過失があるときは、Cさんには責任がないことになりますが、前述のような事情では、ほとんどの場合、Cさんにも責任があると考えられます。
 いずれにせよ、代理人との取引では、一度本人にその事実を確かめることが必要です。

土地
不動産の権利など/ 住宅ローンの種類にはどのようなものがあるか/ 住宅ローンの返済ができないときはどうするか/ 住宅ローンの内容が広告と違うときは/ 建売住宅の代金三割を払ったのに登記に応じない/ 売買の支払後に二重売買されたときの処置/ 代理人が勝手に売ったような場合には/ 無権利者から買い受けたときはどうするか/ 一度定めた値段は変えられないか/ 誇大広告で損害を受けたときの賠償請求は/ 頼んだ仲介業者を抜きにしてした取引は/ 引渡前に建物が焼失したときは/ 移転登記前に売主が死亡したときは/ 移転の本登記前に仮登記があるときは/ 売主が登記を拒絶するときの処置は/ 借地権の存続期間は何年まで有効か/ 家屋買取の請求をされたときは/ 借地権の譲渡を地主が承諾しないとき/ 借地上の建物の増改築は無断でできるか/ 借地契約の法定更新で更新料の支払は/ 家が焼けると借地権は消滅するか/ 地上権と賃借権の違い/ 間貸しにも借家法が適用されるか/ 家主の交代で新契約をしなければならないか/ 値上げに対抗する供託家賃の額はいくらがよいか/ 即決和解による借家契約の更新は許されるか/ 賃料不払いでも契約解除にならないとき/ 訴訟中の家屋の転貸を禁止するには/ アパートの更新料を要求されたが/ 借家権や居住権は相続で引き継がれるか/ 立ち退くときには必ず立退料が貰えるか/ 近隣や居住者に迷惑をかけた賃借人はどうなるか/ ビル賃借保証金の返還債務者は誰か/ 境界に無断で打たれた杭を勝手に抜くと/ 隣家から公図と境界が違うといわれたとき/ 毎日通勤する道を柵でふさがれたら/ 境界に作った塀の代金は誰が負担するか/ 隣りの庭から雨水が流れこんだときは/ 不動産を抵当にとるときの注意/ 家屋や敷地の抵当権はどこまで及ぶか/ 担保にとった土地にある木を切られた時は/ 権利証を紛失したときの担保差入は/ 代物弁済の仮登記をして金を借りると/ 借地権の補償価格はどのくらいか/ 借家権の補償はしてもらえないか/ 補償金に代え替地を要求できないか/ 収用の際の移転料はいくらもらえるか/ 残地の価値が減少した場合の補償請求/ 得意先が減った場合の営業補償/ 景観が悪くなった迷惑料は/ 裁決されても立退かないとどうなるか/ 収用裁決に不服のときの救済方法/ 区画整理中の土地売買と登記請求は/

       copyrght(c).土地の買い方ガイド.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー