住宅ローンの返済ができないときはどうするか

 Aさんは、住宅ローンを利用して念願のマイホームに住むことができたのですが、急に主人が病気で入院してしまいました。
 ローンの返済が難しいのだが、ローンを払わないとどのようなことになるのでしょうか。また、なんとか支払いを猶予してもらえないものでしょうか。

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 住宅ローンの契約書によると、借主が、ローンの支払いを一回でも怠ったときには、銀行など貸主は、なんの通知催告をしなくても、借主に対して即時ローン残債務全額の支払いを求めることができる旨の特約が挿入されています。
 このため、法律上はローンの支払いを一回でも怠ると、借主は、直ちに残債務全額を一度に払わなければならないことになります。もっとも現実問題とすれば、わずか数回の滞納で直ちに全額の支払いを請求されることは、まずないでしょう。
 しかしながら、理屈の上では前述のようなことになり、そこで、もし全額の即時支払いを求められ、これを払わないときには、銀行は、借主の購入したマイホームの上に設定した抵当権を実行する、つまり裁判所に競売の申立てをすることができます。
 この申立てがなされると、裁判所は、最低売却価額(これ以下の値段では、競落を許さないという価格)を決め、入札期日を指定します。この指定された入札期日には、入札または競り売りによって、最高の価格を申し出た人が、この物件を競落し、所有権を取得することになるのです。
 このような競売手続きは、物件の所有者には関係なく、どんどんと進められてしまい、さらに競落人は、物件の所有者に対しては、別に訴訟を起さなくても、競売手続きの一環として、裁判所から不動産引渡命令をもらい、この命令に基づいて、物件所有者を、強制的に立ち退かすことができるのであり、所有者が、どんなに反対しても結局は、立ち退かなければならないことになります。
 そこで、どうしてもこれを止めたいというときには、簡易裁判所に、残債務をさらに分割して払わせてほしいといった趣旨の債務弁済協定の調停を申し立て、調停委員を仲介として今後の弁済方法をどうするかを銀行と話し合わなければならないことになるのであり、さらにその間競売手続きの進行を止めるためには、この調停申立てと同時に、別途、裁判所に競売手続停止の仮処分を申し立て、裁判所の命ずる保証金(残債務の三分の一程度の額)を供託しなければならなくなります。
 このように、銀行など貸主にとっても競売の申立てなど面倒な手続きを採らなければ、結局は貸金の回収もできないというのも事実です。そこで、もしローンの返済が困難になったなら、一日も早く銀行などにその実状を説明し、返済期間を延ばしてもらう、一時返済を猶予してもらう、といった解決を図るのがもっとも賢明な方法ということになります。

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