契約解除の時期

履行遅滞と理由として契約を解除するためには、あらかじめ相手方に履行の催告をし、催告の期間内になお履行がなされなかった場合に解除権を行使することができます。解除権は、原則として催告期間が不履行のまま経過したときに成立します。ただし、催告期間が経過する前に債務者が履行の意思がないことを明瞭に表示したときは、その時から解除権が発生します。
反対に、解除権が成立したのちでも、債務者が履行の提供をした場合は、一旦成立した解除権も消滅します。解除権は、成立しただけではなんら契約を消滅させる効果を生じませんから、解除権を行使する旨の意思表示よりもひとあし早く相手方が履行の用意ができたことを示すと解除権そのものが消滅し、相手方の履行を受けるだけということになります。ただ、厳密にいうと、本来の履行期は徒過しているのですから、債務者は、本来の給付に加えて、遅れたことに対する賠償金を共に提供するのでなければ、完全な提供をおこなったことになりません。まして、支払うべき代金の半額を用意したという場合には、解除権にはなんら影響を与えません。

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土地

Aに土地を売却する契約を結んでいましたが、Aが約束の期日に代金の支払をしないので、内容証明郵便で、この書面到達後一週間以内に代金を支払うようにと催告しました。ところがそれにもかかわらず支払わないので、解除するつもりでAのところに出向いたところ、Aは金はできていますといって代金全額に利息をつけて差し出しました。私は契約は解除するといって金を受け取らずに帰ってきたのですが、Aからは、すぐ供託したとの通知加ありました。私は契約はもう解除になったと考えているのですが、この場合はどうなるのでしょうか。
この場合は、催告書の到途後一週間以内に代金を支払うべき旨の催告がなされ、その期間内には履行の提供すらなかったのですから、解除権はひとまず成立しました。このような場合、相手方に出向いて解除の意思表示をしようとしたところ相手方が先手をうって代金全額に利息までつけて差し出したので腹を立ててそれを受け取らずにただ解除すると言って帰ってきた、という事実が法律上どのような意味をもつかを考えなければなりません。
この場合、相手方Aが履行の提供をしたことは、みとめざるをえ ない事実です。相手の態度がよくなかったことも事実ですが、法律的にいえば、Aの履行の提供が解除の意思表示よりも先であったことが決め手となります。そ の結果、履行の提供によって解除権が消滅したのちにその解除権を行使したということになりますから、その解除の意思表示は効力を生じなかったといわなければなりません。Aから供託の通知がきている現在では、あなたの方に受領の遅滞があるので、あらためて催告、解除という手続をとることもできなくなっています。
このように、民法の本来の考え方からすれば、催告と解除は時期を異にした二つの意思表示でありますから、ただ催告をしたというだけでは、一旦成立した解除権が履行の提供によって消滅するということにもなりかねません。また、短い期間をおいて二つの意思表示を確実に相手方に到達させることがわずらわしく感じられる場 合もあるでしょう。そのため、判例、学説は、この二つの意思表示を、催告期間内に履行がない場合には契約を解除するという条件付解除の意思表示という形にまと めて、一度で済ませる方法を、有効とみとめています。この方法によれば、催告期間の徒過によって自動的に解除権が行使されます。解除という一方行為に条件をつけることは、一般に債務者を一層不利にするおそれがあるためみとめられないのですが、催告に従わないことを条件とする場合は有効とされています。
契約解除の意思表示は、多くの場合、配達証明つきの内容証明郵便によっておこなわれています。これによって、意思表示の日付、内容、到達など後に争いになりうる点を明確に証明することができるからです。

土地
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