違反建築の建物と売買

建売住宅を買いましたが、この建物は売主が無届で、しかも建ぺい率に反して建てた家屋であることが判りました。この場合はどうなるのでしょうか
建売住宅でよく問題になるのは無届建築と建ぺい率違反ですが、この二つは実は表裏一体の関係にあるといっても過言ではありません。というのは、正規の建築届をしたのでは、建築基準法所定の建ぺい率などの建築基準を無視して狭い敷地に目一杯の建物を建てられないので、建築届を出さずに建築することがあるからです。またそれ ばかりでなく、建築届を出しても、届出とは全くちがった違反建築をする建売業者もあります。したがって、建築届などの有無ばかりでなく、届出と実際の建築とにちがいがないかどうかも調査する必要があります。無届建築、建ぺい率違反の建物は、たとえ登記があっても、違反建築であることにかわりはありませんから、注意が肝要です。

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土地

建築基準法九条一項は、違反工事ないし違反建築建物について、次のような是正命令を定めています。つまり、特定行政庁は、この法律又はこれに基く命令もしくは条例の規定に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築士、当該建築物に関する工事の請負人もしくは現場管理者又は当該建築物もしくは建築物の敷地の所有者、管理者もしくは占有者に対して、当該工事の施行の停止を命じ、又は、相当の猶予期限をつけて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。ということです。
しかし、この違反是正命令を出すには、それに先きだって、命令を受くべき相手方に対し、命じようとする措置とその事由を記載した通知書を交付することが必要ですし、また、通知書の交付をうけた者が、交付をうけた日から三日以内に特定行政庁に対し公開の聴聞を行うことを請求した湯合には、特定行政庁では、所定の手続により公開の聴聞を行ない、その者に弁明の機会を与えなければならないことになっています。もっとも、緊急の必要がある場合には、以上の手続を経ないで、仮に使用禁止、使用制限を命ずることもできますが、この場合には、その命令をうけた者が命令をうけた日から三日以内に特定行政庁に公開の聴聞を行うことを請求することができ、特定行政庁は、請求があった日から五日以内に公開の聴聞を行ない、その結果、仮にした命令が不当でないとみとめられた場合には、九条一項による違反是正命令を出すことができますが、仮にした命令が不当であるとみとめられた場合には、直ちにその命令を取り消さなければならないことになっています。また、建築基準法に明らかに違反する建築工事が施行中の場合で、緊急の必要があり、以上の手続をとるいとまがない場合にかぎり、特定行政庁は、建築主、請負人または現場管理者に対し、工事施行停止命令を出すことができることになっています。
さらに特定行政庁は、建築基準法九条一項の違反是正命令を出すべき相手方を確知できず、しかも、その違反を放置することが著しく公益に反するとみとめられる場合には、同人にかわって自らその命令による是正措置をおこなうか、他の者をしてその措置をおこなわせることができます。これが、いわゆる代執行です。
なお、建築基準法九条一項の違反是正命令、同条一〇項の工事施行停止命令をうけたにもかかわらず、あえてこれに従わない者に対しては、六ヵ月以下の懲役または一〇万円以下の罰金を科することができることになっています。
建築基準法は違反建築に対し相当厳重な制裁を科することができるようにしていますので、せっかく建物を買いうけてもそれが違反建築だったら、おそかれ早かれ、除却、移転、改築などの措置は免れないわけです。したがって、このような法律的瑕疵が買いうけた後に判明した場合には、民法五七〇条の売買の目 的物に隠れたる瑕疵ありたるときに該当しますし、買主は、そのために売買の目的を達成できないのですから、契約を解除し損害賠償を請求することができます。この契約解除、損害賠償請求は、買主が違反建物であることを知った時から一年内にしなければなりません。
建売住宅を買った後になって著しい建ぺい率違反などがあることが判り、放置しておくと建物除却命令などが出されるおそれがあり心配だという買主は、建売業者を指導監督する都道府県の主管課に相談し、妥当な解決を因ってもらうのも一策です。

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