土地分譲と道路負担

住宅を建てる目的で分譲土地を買いました。坪当りの単価も格安だと思ったのですが、実際は買った土地は道路部分が全体の三割にもなっていて、残された部分では建ぺい率の関係から、計画したとおりの家を建てることができないことが判りました。この場合はどうしたらよいでしょうか。
近年は盛んに公的あるいは私的企業として山林、原野を整地して宅地造成し、区画された個々の土地が個人に分譲されていますが、将来そこで個人の住宅が建築されるわけですから、造成された地域内では縦横に道路が作られており、また、住宅地造成事業に関する法律、同施行令、建築基準法などの行政的規制の上からそれが必要とされる場合があります。ところが、このように道路となる予定の土地部分が、個人に分譲される宅地と別個にとり扱われずに、分譲土地の中に含められて売買される場合もあります。その結果、買主の方では初め予想しなかった土地部分が宅地としては利用できないこととなり、この道路負担をめぐって本問のような問題が発生することがあります。

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土地

このような分譲土地に買主が利用できない道路部分があるとは知らずに買い、後でそれを知った場合、買主がとることができる処置といえば、売主の担保責任の追及です。適用される条文は民法五七〇条のいわゆる瑕疵担保責任の規定です。分譲土地は住宅地として売買され、売主、買主ともに建築基準法が定める建ぺい率を考慮して、その土地で建てられる家の大きさ、逆にいえばその土地を家の敷地として利用できる広さを予想して売買されるものと考えられますので、全休の三割もの部分が道路として利用されるというのは、契約上予定された使用目的に適しない欠点があると考えられます。したがって、それが民法五七〇条の隠れた瑕疵であれば、買主は当然に売主の責任を追及できることになります。その責任の内容については民法五六六条が準用されますので、買主が予想しなかった広い範囲を占める道路部分のために予定の家は建てられず契約をした目的が達せられない場合は契約解除、買主がそれでも我慢しようというのであれ ば損害賠償の請求ができます。なお、これらの責任の追及期間は、買主が事実を知った時から一年間に制限されています。
民法五七〇条は、隠れた瑕疵が売買目的物にあることを必要としています。そして隠れたものかどうかの判断基準として、判例、学説ともに、契約を結んだ当時買主が過失なしに瑕疵があることを知らないことをいい、したがって、たとえ外にあらわれていない瑕疵でも、買主が知り、またはある程度注意したとすれば発見したであろうと思われる瑕疵ではない、と考えております。そして、買主が瑕疵を知っていたこと、また、知らなかったについて買主に過失があったことを、売主が立証しなければならない、といっています。本問の場合、隠れた瑕疵の点について、たとえば現地または図面で道路負担があることが明示されていた場合には、買主がたとえそれを知らなかったとしても過失があるということになります。また、本問の土地は坪当りの単価が格安だったということも、決定的な基準とはいえないでしょうが、買主に過失があるという判断にいくらか影響するだろうと思われます。安かったという程度にもよりますが、道路負担があるから安かったといえる場合もありますので注意する必要があるでしょう。

土地
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