買った土地が区画整理による分散する場合

買った土地が、区画整理対象地域に予定されていることが判りました。そして区画整理計画案によると、道路をはさんで二分されることになっています。売主に対してどのような責任を追及することができるでしょうか。
日本では明治初年以来、東京をはじめとする大部市の発展が著しく、人口の都市集中によって都市がふくれあがってきましたが、その発展も個人の自由に放任されていたために、交通機関の進歩と交通量のはげしい増大によって危険も多くなり、住居の密集によって不衛生、環境不良地区が生まれるなど種々の弊害が伴ってきました。このような弊害をとり除いて規則的な都市を再建するために都市計画立法が必要となったのですが、そのために、一定範囲の市街地ないし市街地となるべき地域を一挙に建設しなおす方法として、土地区画整理が行なわれるようになりました。現在において、土地区画整理とは、都市計画区域内にある一定範囲の宅地を区画整理施行地区として、公共施設の整備改善と宅地利用の増進を図るため、必要な公共用地を除いた残りの区画形質を整然とした上で、原則として整理前の宅地にあった権利関係を変えることなく、整理前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境などに照応するように、これを整理後の宅地に移転させるものです。この公共施設には本問の道路などが入りますので、ある土地が区画整理対象地域に予定されていることを知らずに買い、後で気がつき、もしあらかじめこのことを知っていたならば買わなかったであろうとか、たとえ買っても安い値段で買ったであろうと考えられるような場合に、買主は売主に対してどんな責任を追及することができるか、というような問題が出てくることとなります。

スポンサーリンク
土地

本問のような場合、売主は民法上の担保責任を負わねばならないという点では反対はありません。民法は、売買の目的物の一部が売主以外の者に属するとか、目的物に他人の地上権などが設定されているとか、目的物に隠れた瑕疵があるとかいうことが契約後明らかとなり、このような欠点がない完全な物として売買された場合の買主の利益をまもるために、売主の担保責任を定めています。ただ本問のように、土地区画整理によって、売買目的物が、取引上一般に期待され、あるいは当事者が契約上予定した品質、性能を欠く結果になった場合、売主の担保責任に関する民法上の規定のうちどれによって処理されるかという点では、学説、判例上対立がみられます。通説、判例は、民法五七〇条の物の瑕疵について、物理的瑕疵のみならず、物と環境との関係物の経済的収益などもまた瑕疵の判断にあたって標準となると解してきていることなどから、五七〇条で処理すべきだと考えています。しかし少数説は、五七〇条の瑕疵は物質的な瑕疵に限るべきだといい、本問のような場合は法律的な瑕疵であり、五六六条で処理すべきだといいます。二つの説の違いの実際的な意味は、競売の場合に担保責任か認められるか否かにあって、本問のような通常の売買では、五七〇条による売主の責任は五六六条と同じですから、説の対立は意味がないということになります。したがって本問の場合は、道路によって土地が二分されるため契約をした目的を達することができない場合には、契約解除と損害賠償、その他の場合には損害賠償だけ請求できるわけです。もっとも、区画整理によって土地が道路で二分されるということを契約のとき知らなかった。あるいは知らないことについて過失がないことが必要です。なお、契約解除、損害賠償の請求を、目的物である土地についてのこのような欠点を知った時から一年内に行なわなければなりません。

土地
買った土地の坪数の不足/ 買った土地の地目が農地の場合/ 緑地帯、風致地区/ 買った土地が区画整理による分散する場合/ 土地分譲と道路負担/ 買った土地の一部が他人の敷地の場合/ 買った土地の通路が他人のものの場合/ 不完全な建売住宅/ 違反建築の建物と売買/ 共有不動産の売却/ 不当に抹消された登記の回復/ 抵当権付不動産の売買/ 買った土地の使用処分に対する制限/ 不動産の時効取得/ 契約の解除/ 契約解除の方法/ 契約解除の時期/ 契約解除権の時効/ 契約解除と損害賠償/ 解除と第三者の権利/ 手付放棄による解除/ 売り戻しの特約/ 買戻の特約と再売買の予約/ 事情変更による解除と契約条件の変更/ 他人が使用中の不動産の売買/ 借地人が立ち退かない場合/ 他人の使用中の不動産の売買と賃料/ 買った土地に借地権者がいる場合/ 借地上の建物の売買/ 借地権者の借地買取/ 借家人の借家と敷地の買取/ 賃貸借当事者間の売買と賃貸借/ 土地の分譲と営業免許/ 建売住宅の売買/ 土地の一部分の売買/ マンションの分譲/ 建築途上の建物の売買/ 道路予定地の売買/ 仮換地の売買/ 割賦払中の売買/ 担保権付不動産の売買/ 係争中の不動産の売買/

       copyrght(c).土地の買い方ガイド.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー