買った土地の地目が農地の場合

家を建てるために土地を買いましたが、売主の話では宅地だということでしたが、その後、登記簿上では農地になっていることが判りました。実際には、土地は荒れ地で、農地としては使われていません。しかし、すぐに家を建てられないのでは困りますが、この場合はどうしたらよいでしょうか。
売買の目的物である土地が 田または畑、つまり農地である場合には、農地法の適用がありますから、これを宅地に転用する目的で売買するには、農地法五条の定めるところにより、当事者双方の申請をもって、都道府県知事の許可をうけなければなりません。しかし、農地であるかどうかは、登記席上の地目が田や畑になっているかどうかで決定されるのではなく、すべて現況で判断決定されます。したがって、地目では田や畑であっても、現況がすでに農地でなくなっている場合には、農地でありませんから、農地法五条による許可はいらないことになります。
石炭殻などを敷きつめて整地してあるような場合には、現況が農地でないことは疑問の余地がありませんが、本問の場合のように、実際上、農地として使用されずに荒れ地になっているという程度の場合、果して現況が農地でないと判断してよいかどうかは疑問で、むしろ、単なる休閑地または不耕作地とみるべきでしょう。したがって、このような土地には、やはり農地法の適用がありますから、前述の都道府県知事の許可をうけなければ、売買契約をしても、買主は、目的物たる土地について所有権を取得することはできませんが、知事の許可を条件として、あらかじめ売買契約を締結しておくことは、さしつかえありません。
都市の周辺地などのように、付近一帯がすでに市街地化し宅地化しているところでは、宅地への転用を目的とする売買について容易に許可がおりるものとおもわれます。しかし、それにしても、許可がおりない間は、所有権移転の本登記ができませんから、将来許可がおりることを条件とする所有権移転請求権の仮登記をすることによって、本登記の順位を保全しておくことが必要です。

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土地

宅地を買いましたが、契約のときの話では、建ぺい率は三割だとのことでした。しかし、その後調べてみると、一割地区だということが判りました。これでは建物を計画どおり建てることができません。どのような救済方法があるでしょうか
建ぺい率というのは、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合のことで、これは、敷地内に適当な空地を確保することによって都 市環境を保全するために設けられたものです。建ぺい率は、用途地域、地区別に法定されており、これに違反して建築物を建築することは許されませんし、もし違反して建築すると、その建築物の全部または一部を取り壊さなければならないことになるわけです。したがって、本問のように、建ぺい率は三割だというので買ったところが、実は一割で、そのため計画どおり建築物を建築できない場合、一つの解決策としては、その建築物を建築するに必要な建ぺい率を確保するため、隣接地を買いとるとか賃借するとかして敷地面積を拡げる、という方法もあります。しかし、この方法は、隣接地所有者の協力がなければできませんから、余り現実的な解決策ではないかも知れません。
買いうけた土地が宅地でなく農地であったり、宅地であっても建ぺい率との関係で、計画どおりの建築物が建築できない場合は、目的物について法律的な瑕疵があるということになります。しかも、これらの瑕疵は、契約締結当時一見してわかる状態ではなかったわけですから、民法五七〇条にいう隠れたる瑕疵ありたる場合に該当することになり、買主は、売主に対し、売買契約の解除、損害賠償の請求をすることができます。ただし、この契約解除、損害賠償請求は、瑕疵あることを知ったときから一年内に行使しなければならないことになっています。なお、本問では、契約のときの売主の話と事実とがちがっていたわけですが、もし、売主が買主をだまして売買契約を締結させたのだとすると、これは民法九六条の詐欺にあたりますから、買主は、売主に対する一方的意思表示で売買契約を取り消すことができます。取消をしますと、はじめから売買契約がなかったと同じことになり、買主は、売主に、目的物である土地を返還して、代金の返還請求をすることができます。刑法二四六条の詐欺罪になることもありますが、これは、民法上の詐欺と違って、買主が売主に騙されて単に売買契約を締結したというだけでは十分でなく、売主に代金をだましとられたということが必要です。詐欺罪では、一〇年以下の懲役に処せられることになっています。

土地
買った土地の坪数の不足/ 買った土地の地目が農地の場合/ 緑地帯、風致地区/ 買った土地が区画整理による分散する場合/ 土地分譲と道路負担/ 買った土地の一部が他人の敷地の場合/ 買った土地の通路が他人のものの場合/ 不完全な建売住宅/ 違反建築の建物と売買/ 共有不動産の売却/ 不当に抹消された登記の回復/ 抵当権付不動産の売買/ 買った土地の使用処分に対する制限/ 不動産の時効取得/ 契約の解除/ 契約解除の方法/ 契約解除の時期/ 契約解除権の時効/ 契約解除と損害賠償/ 解除と第三者の権利/ 手付放棄による解除/ 売り戻しの特約/ 買戻の特約と再売買の予約/ 事情変更による解除と契約条件の変更/ 他人が使用中の不動産の売買/ 借地人が立ち退かない場合/ 他人の使用中の不動産の売買と賃料/ 買った土地に借地権者がいる場合/ 借地上の建物の売買/ 借地権者の借地買取/ 借家人の借家と敷地の買取/ 賃貸借当事者間の売買と賃貸借/ 土地の分譲と営業免許/ 建売住宅の売買/ 土地の一部分の売買/ マンションの分譲/ 建築途上の建物の売買/ 道路予定地の売買/ 仮換地の売買/ 割賦払中の売買/ 担保権付不動産の売買/ 係争中の不動産の売買/

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