土地政策と住宅用地の需要

土地政策は、持家政策から貸家政策への転換、土地保有税の強化、法律による土地の利用制限または促進の三つの基本政策を柱として構成され、貸家の大量供給という過程をへて、地価の上昇率を利子率水準以下に抑えることを目標としています。その内容は具体的には、貸家建設資金の融資の拡大、持家建設資金融資の廃止、貸家営業法、公的住宅の部分の廃止、土地保有税の強化、譲渡所得税の軽滅、相続税の強化、市街化調整区域における住宅建設の禁止、市街化区域における区画整理の強判、市街化調整区域における区画整理の促進を含むものですが、これらの政策を個々ばらばらに行なうのではなく、総合的に組み合わせて同時平行的に行なわなければなりません。

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この政策の成否をきめる一つの重要な点は、貸家の供給が増えることと、持家用地の需給関係にみられる売手独占傾向を緩和することとです。貸家建設資金の融資の拡大は、供給側に作用し、貸家の供給を増やす一方で、現状では貸家建設資金を得るために行なわれている農家の土地売却を滅少させる。
持家建設資金融資の廃止は、需要側に作用し、持家用地の需要を滅少させ、その結果として貸家需要を増大させます。貸家営業法の制定は貸家の需給両面に作用します。供給側に対しては、構造と付帯設備に制限を課するために、それがない場合に比べて抑制的に働きます。需要側に対しては、相対的高所得者層については設備等が良くなるという点で促進的ですが、その当然の結果として家賃が増大するために相対的低所得者層については抑制的に働きます。公的住宅の縮小は、貸家の需要を増大させることになります。
土地保有税の強化は、貸家、住宅用地の供給をともに増大させ、あわせて住宅用地の需要を減少させます。譲渡所得税の軽滅は、住宅用地の供給を増大させ、そのことを通じて土地売却代金を資金とした貸家供給を増大させます。しかし、それが単独で行なわれる場合の効果は徴弱です。
相続税の強化は、住宅用地の需給両面に作用し、供給を増大させ需要を滅少させます。
市街化調整区域における住宅建設の禁止は、それ単独の効果としては、市街化区域内の貸家、持家用地の双方について需要を増大させ、供給を滅少させます。市街化区域における区画整理の強制は、貸家、持家の双方について供給を増大させる可能性をもちますが、この政策単独としては、可能性だけに終ることとなります。市街化調整区域における区画整理の促進は、貸家と住宅用地の供給を促進しますが、その効果は大きなものではありません。
法律による土地利用の制限または促進政策は、それ単独としては貸家および住宅用地の需給関係を大きく改善する効果を持ちません。むしろ、市街化調整区域における住宅建設の禁止は、市街化区域内の需給関係を悪化させます。そのままの状態ではたとえ市街化調整区域の区画整理を推進して市街化区域を拡大しても、スプロールが起るだけです。
また、持家政策から貸家政策への政策転換も、もしそれが単独で行なわれるならば、土地の需給関係の改善に決定的な効果が上がるとは断定できません。貸家に関しては需要の増大に見合うだけの供給増が起るとしても、住宅用地に関しては需要の滅少に応じた供給の滅少が起る可能性があるからです。貸家および住宅用地の需給にそれ単独で決定的な影響を与えうるのは、土地税制の改革特に土地保有税の強化だけです。しかし、この政策を単独で実行できる可能性は小さく、土地税制の改革は、土地所有者に対する貸家建設資金の融資と組み合せてでなければ実効できず、またこの両者を組み合わせることによって、需給関係への影響が強化されます。しかし、この二つの政策の組み合せだけでは、物的な意味での都市機能の充実をはかることはできません。そこで土地利用政策がさらに組み合わされなければならないことになります。また、土地利用政策は、他の二つの政策と組み合わされることによって、それ単独では単なる可能性に終っていた貸家およぴ住宅用地の供給を増大させる効果をも発揮できるようになります。

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