土地税制

土地に関する所得課税は、土地所有者の売却意欲を滅退させる可能性があります。また登録税などの流通課税は宅地需要を滅退させる効果をもちますが、積極的に土地所有者に働きかけるものではありません。大量の住宅供給を可能にする租税制度としては、土地に対する保有課税が基本にならなければなりません。また、土地に関する所得課税は、都市の発展に伴ういわゆる外部経済を吸収する制度としてしばしば推奨されるものですが、都市の発展に伴う外部経済を享受しているものは、ひとり周辺部の土地保有者ばかりではなく、例えば新宿、渋谷、池袋などのターミナルにおけるデパート資本、丸の内などの貸ビル資本なども同様です。これら外部経済による利益を受けるすべての土地所有者に公平に作用する租税制度としては、保有課税が最も合理的です。また、鉄道や道路の新設によって起る地価上昇に関して、いわれる開発利益の公共への還元を制度化し実効の上がるものにするためにも、その前提として合理的な保有課税制度の確立が必要です。すでに市街化してしまった地区では、すでに過去において地価上昇による利益を受けてしまっており、これらの利益を放置して、新しい開発地域にのみ開発利益の還元を強制することは、公平の原則に反します。

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土地

近代的な財政理論では、租税制度は所得税、消費税を基礎とすべきであり、財産税は、所得税に対して、脱税防止などの補完的な機能を果たせば足りるものとされています。しかし、現在の大都市近郊の農地についてみられるように財産の取引価格とその財産を使って得られる所得との間に著しい乖離がみられるとき、その財産価値を課税客体として、財産に持越費用を強制する保有課税に、その乖離を縮小する機能のあることを見落してはなりません。所得税、消費税を根幹とするという近代的な租税原則の範囲内においても、保有課税になお一定の機能を期待することは決して誤りではありません。
現行の固定資産税は、土地、家屋および償却資産を課税客体とする市町村税です。主要点の第一は、租税収入全体の伸びあるいは住民税の伸びにくらべて、固定資産税特に土地に関する固定資産税の伸びが鈍いことがあります。これは、国民所得の伸びに比べて、地価、特に大都市周辺地価の上昇が大きいという周知の事実と明らかに矛盾しています。住民税に関しては年々の控除額の引き上げ等があり、他方、固定資産税に関しては税率が一定だったために、住民税の伸びに比べて固定資産税の伸びが鈍いという事実は、主として固定資産税の評価額が実際の地価を十分反映していないことの結果であると断定されます。
主要点の第二は、都市的な地域に比べて、農村的な地域の方が租税収入中にしめる固定資産税の割合が高いことがあります。固定資産税総額中にしめる土地に関する固定資産税についても同様なことがいえます。この事実は、固定資産特に土地の評価額が、農村部におけるよりも都市部において過少であることを示唆しています。また、固定資産税が農村部の市町村にとって重要な財源であるという事実は、貸家の大量供給という目的で固定資産税制度を改革しようとする場合にも、農村部への影響を無視してはならないことをも示唆しています。固定資産税の課税評価は、自治大臣の告示する固定資産評価基準にしたがって、市町村においてなされます。

土地
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