公的住宅

公的住宅には、日本住宅公団および各都道府県の住宅供給公社が供給する住宅と、公営住宅法によって都道府県または市町村が供給する公営住宅の二種類があります。両者の違いは、前者が原則としてコストを基準に家賃を決定するのに、後者は国の補助金や都道府県などの一般財源からの持出しによって、家賃がコスト以下に抑えられていることです。

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土地

まず明らかにしなければならないのは、公営、公団、公社のすべてを含む公的住宅供給の民間住宅供給を含む全住宅供給の中にしめる比重の低さです。全住宅供給に対する公的住宅の供給の比率は10パーセントにすぎません一都三県の範囲内ではこの比率はさらに低下します。しかも、公的住宅は、公営の場合も、公団、公社の場合も、供給コストをなるべく低く抑えなければならないので、安い用地を求めて次第に遠隔地へ離れていく傾向があり、その結果現在ではすでに公的住宅の供給は物理的な限界に達した感があります。
公的住宅の供給は、たとえ供給量を現在の数倍に増やしたとしても、用地を時価で買収し続ける限り、地価上昇のメカニズムから逃れることはできないのであって、民間貸家の大量供給のように地価上昇のメカニズムの根本をつきくずすことはできません。
しかも、公的住宅の家賃コストには、用地買収費の利子分を含まなければなりません。民間貸家の場合には、その家賃は、アパート限界地では建築費の償却費と利子分に維持管理費を加えたものに一致するのであって、限界地の内側でも地価の利子分をそのまま含むことはありません。原理的には、民間貸家の家賃の方が、公的住宅の家賃コストよりも低いのです。現状では、公的住宅と民間貸家との間には、大量生産の効果としての建築コストの格差があり、これが用地買収費の利子の一部を相殺していますが、地価の上昇によって、その効果もすでに力を失っています。さらにすでに述べたように、同額の公的資金を投入するとすれば、用地費を含まないだけ、民間賃家の方が供給量を大きくすることができます。
そればかりではなく、安い土地を求めて公的機関が持家限界地の外で住宅の供給を行ない、それに伴いバスなどの交通機関の整備が行なわれると、今度はそこが新しい持家限界地となり、内側に地価の上昇が起ります。公的住宅供給によって持家限界地の遠隔化と地価の上昇が加速されているのです。

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