地価の一般的上昇と経済

地価の一般的上昇は、経済活動一般の拡大が土地の位置に投影したものといえます。経済活動が活発になった結果です。活発になれば活発となるほど地価は上昇します。地価の上昇の弊害は大問題ですが、経済力を正しく反映しているかぎり、それ自体としては健全なものです。これを担保として資金を供給することは決して不健全ではありません。それどころか、一国の経済活動の拡大にいわば比例して確実に増価するものはど確実な担保物件はありません。製品や株式などは個別資本の力を担保にするだけであるため、個別資本の失敗は担保物件の滅価を意味します。地価は日本の経済力の全体によって支えられ、大恐慌でもないかぎり、容易に滅価する恐れはないのです。

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土地

地価の弊害は、地主、資本家、労働者への所得分配率を変える大きな要因であることと、都市機能をゆがめ麻痺させる要因であることの二点に尽きます。地価は経済活動一般の反映で、影のような存在です。それなのに土地に密着しているがゆえに、個人としての土地所有者のものとなって、土地との交換によって国民総生産の大きな割合をその個人に帰属させます。その上、将来の経済活動の基盤となる土地の利用を妨げます。これを地域全体として見れば大都市機能の麻痺です。物価や賃金に直接影響するのではないのです。地価の物価への影響は、都市機能の麻痺を通じて労働能率を低下させるという間接の形をとるのです。これが人間の精神面に及ぶと、都市の物的機能ばかりでなく、そこに住む主体となるべき人間までも腐敗させることとなります。
大都市圏に集中してきた人口のうち比較的高所得層は貯蓄をはたき、その上、借入金までして高い土地を買います。この土地を売った農家は、その代金で家を新改築し、アパートや貸家の建築などに投資します。土地を買った個人の現在の貯蓄ばかりでなく、将来の期待貯蓄までもはき出して、土地を売った農家の消費需要と投資需要を増大するのです。住居を建てる人は資金を調達するために個人消費を縮小しますが、代って土地を売った人の消費と投資を拡大し、前者の将来までも含めた貯蓄率の低下が、後者による消費と投資の増大をもたらします。有効需要はそれだけ増大します。こうして地価が高いほど有効需要は増大し、したがって物価も上昇するのですが、それは有効需要が増大することに原因があるので、地価高が直接物価高を招来するのではないことは、企業の投資需要の場合とまったく同じです。

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