用地地価の影響

用地地価そのものが一般に地価に影響するものと信じられています。ゴネ得という表現が、単に用地提供者が不当に利得しているということを表現する以上に、ゴネ得による用地地価の上昇が一般の地価へ現実に影響するものであるならば、大きな問題といわなければなりません。この判断が正しいならば公共用地の地価を強権で押下げることができれば、一般に地価の上昇をも抑制することが可能であるという論理が成り立つからです。

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現実にも、東海道新幹線や東名高速道の沿線、あるいは成田飛行場の周辺のように将来商業地、工業地、住宅地に転用される可能性もなく、期待の変化の生じえないと思われる位置でも、地価の上昇が生じているところがあります。しかし、これらの現象は単なる心埋的なものではなく、現実に根拠があります。用地提供者の一部が用地売却代金で周辺に代替地を求め、土地需要は強まります。そして、彼らに土地を売った者が再び周辺の土地需要を呼び起します。しかし、このような需要の増大による売買行為の繰返しには限界があるはずであって、これらの行為が一巡すれば土地需要量は元に戻らざるをえません。数量的に説明すると、施設用地を売った土地所有者が売却代金で代替地を求めるとしても、代金の全額ではなく、平均すればある割合しか買われてないわけです。したがって、需要の連鎖による総需要量は上述の割合を比率とする級数の和によって限定されているわけです。需要の状態が元に戻れば均衝価格が支配することにならざるをえません。
また、商業地、工業地、住宅地のいずれも、地価形成論理を持ちます。道路や鉄道は施設としてこれらの地価形成論理に作用することによって、いずれがの期待が変るように影響するものならば地価に影響しうります。しかし、その影響は公共施設の物理的な意味での影響によって、それぞれの用地としての価値に影響するのであって決して公共用地の地価が影響するのではありません。
以上に述べた諸理由の外に心理的な影響を考えるとすれば、経済と都市、都市と都市との関連が現状のように急激に変貌する時期には、これと反対に、農地は永続的に農地にとどまり、商業地、工業地、住宅地はもちろん、公共施設に対する土地需要も少なく、大部分の土地について期待の変化の可能性がなかったような時期に比較し、どのくらいが全般的に期待が変る可能性があるということ、いわば、期待の変化のそのまた期待といってよいようなものが心理的に生じているかも知れません。どんな風に変わるかわからないが、変らないと決めてしまわない方がよいという考え方です。このような心理的影響があるとすれば、都市の状態の変化が急激なほど、一般の土地所有者の土地を保持しようという意識は強まります。また、現状のように一般に所得水準が高まってくると、土地を売らなければならない状態に置かれている土地所有者は、過疎地帯の農家とが都市の土地プローカー以外にないようになりました。この現実の状態と上述の不確定で漠然としたものではありますが、なにが変化を期待するという心理が結びつくとき、土地供給は抑判され、一般的に地価を上昇傾向に圧迫するかも知れません。しかし、このような不確定な土地供給の制限要因があるとしても、この作用は公共用地のゴネ得そのものとは関係のないことです。さらには、このような要因があるとしても、このような漠然として不確定な影響が、大都市圏の地価上昇率を継続的に利子率以上に高めるほどに影響しているとは考えにくく、その論理の基本は確然としたものでなければなりません。

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