道路位置指定のある私道は権利者だけの同意だけでは廃止できない

道路位置指定を受けた私道とその奥の土地を所有しています。この私道をはさんで奥の方にA、B、公道に面した角地にC、Dが土地を所有していましたが、今度、A、Bの土地を買いとりました。この結果この私道を利用するのは私だけになりましたので、道路位置指定を解除してもらいたいのですができるのでしょうか。
私道の変更廃止は、原則として、私道に関して権利をもっている者の自由ですが、建築基準法上の道路である私道の変更、廃止については、次のように制限されています。
私道の変更または廃止により、その道路に接している敷地が、原則として幅員四m以上の道路に二m以上接しなければならないという規定に抵触することになる場合には、特定行政庁(市町村長あるいは都道府県知事)は、その私道の変更または廃止を禁止しまたは制限することができます。
この制限は、私道によって後送の要件を満たしていた建築物が、私道の任意の変更廃止により、余儀なく違反建築物となってしまうのを防止するためです。

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土地

まず、C、Dの土地は公道に接しているので、私道を廃止しても前述の四五条の問題は起こりません。私道が廃止できるかどうかは、A、Bの土地の使い方によって異なってきます。質問では、私道を利用するのはあなただけということですが、四五条の規定は私道を利用する人との関係ではなく、建築物の敷地との関係を問題にしているからです。この建築物の敷地については、建築基準法では一つの敷地には原則として一つの建築物しか建築できず、二つ以上の建築物を建てる場合には、建築物相互間に用途上不可分の関係があることを必要とするという扱いをしています。次に場合を分けて説明しましょう。
(1) A、Bの土地に建築物がない場合
この場合は、A、Bの土地および私道部分を含めてあなたの宅地(同一の敷地)とすることで、四五条の問題は起こらず、私道の廃止は可能です。
(2) A、Bの土地に建築物がある場合
(イ)(2)の場合に、その建築物を除却し、私道部分を合めてあなたの宅地とするときは、(1)の場合と同様に、私道の廃止は可能です。
(ロ)(2)の場合に、その建築物を除却しないときは、その建築物とあなたの建築物とが用途上可分か不可分かが問題となります。この可分かどうかは、それぞれの建築物が用途上独立の機能をもっているかどうかによっています。(2)の場合、あなたが土地を取得するまでは、A、Bの建物は独立の機能、例えば、住宅としての機能をもっているのがふつうですから、A、Bの建物とあなたの建物とは用途上可分ということになり、その敷地は同一敷地の扱いを受けないと思われます。したがって、A、Bの建築物の敷地はそれぞれ接道要件を満たす必要があるため、私道の廃止は、四五条の制限を受けることになります。
私道を廃止する場合の手続については、建築基準法はなんの規定も定めていないので、事実行為として私道を廃止すればよいのですが、多くの特定行政庁は、建築基準法施行細則で、私道の変更廃止を特定行政庁に届出させるなど道路位置指定に準じた手続を定めていますので、その場合は所定の手続を必ずしておくことが必要です。
道路に接するための敷地内の細長い路地状の部分を路地状敷地といいますが、部道府県令市町村の中には、条例で路地状部分の長さと幅を制限したり、アパート等の敷地について、路地状部分だけで道路に接することを制限している場合があります。あなたの場合、私道を廃止すると路地状敷地を生じますので、条例の制限に抵触するかどうかについても検討が必要です。

土地
昔から境界が不明/ 境界の目印/ 境界標が無くなり隣が侵入してきた/ 河川との境界/ 登記所の地図は必ずしも現実の境界とは一致しない/ 買った土地の境界が違っていて家が建てられない/ 同じ買主から買ったのに隣りが登記面積より広い/ 分譲地の私道負担が多すぎて家が建たない/ 越境している隣家をそのままにしておくと時効で隣人の所有になる/ 隣りが境界線をこえて増築している/ 隣りのエアコン室外機が越境している/ 隣りの庭木が越境しているとき/ 借地の境界がはっきりしないとき/ 隣りとの塀は共同の費用でつくることができる/ 塀について隣人と意見があわないとき/ 共同の塀の修繕費用は平等に負担する/ 高い塀のために日当りが悪くなった/ 塀が壊れて通行人がケガをしたとき/ 土留めの石垣費用は崖の斜面の所有者が負担する/ 道路位置指定を受けるには/ 道路位置指定を受ける前に分譲業者が倒産したとき/ 道路にはり出して建物を建てているとき/ 私道確保の方法/ 通行地役権の時効取得/ 袋地の通行権を妨害されたとき/ 土地の一部を買って袋地となったとき/ 建築基準法に適合する道路分だけの袋地通行権/ 地主が借地人の私道を借地人の一人に貸してしまった/ 地主が借地人のために私道を売ってしまった/ 分譲によって袋地となった者の通行権/ 私道負担付の土地の譲受人の通行権/ 私道を勝手に閉鎖することはできない/ 私道への駐車は許されない/ 借地人のための私道への車の通行禁止/ 道路位置指定のある私道は権利者だけの同意だけでは廃止できない/ 整然とした道路を造るには/

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