地主が借地人の私道を借地人の一人に貸してしまった

私の近所一帯はAの所有地で、これを私達五人が借地しています。この借地から公道に通じる通路があるのですが、この通路はAが提供したもので、だれの借地にも含まれていませんでした。ところが最近一番奥のBがこの通路部分をAから借地してしまいました。こんな場合、私達の通行権はどうなるのでしょうか。
借地権は地上権と賃借権の両者を合んでいますが、地上権者は明文の規定により、賃借権者も賃借権の登記か借地上の建物の登記がしてあるときは(学説では占有、物を事実上支配することをともなう賃借権が存在する場合も含めています)、囲繞地通行権(袋地通行権)に関する規定が準用され、通行権が認められることになっています。しかも、本問の場合のように、地主が賃貸した土地が袋地となる場合には、土地の一部譲渡の囲繞地通行権の規定を準用して地主の残余地につき、賃借権者は囲繞地通行権を取得すると考えることができます。Aはその所有する通路を借地権者の通路として提供していたのですから、あなたは無償の囲繞地通行権を主張することができることになります。

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土地

地主が、その土地のうち公路に通じない部分を賃貸し、その残余地を自ら使用しているときは、借地人に対し賃貸借にもとづく貸賃義務の一同容として、この残余地を賃貸借契約の目的に応じて通行させる義務があるものともいえますから、借地人は契約上、の通行権として、この通路を通行することができると考えることも可能です。
Bがこの通路部分をAから借地する以前の段階では契約上のものと考えても、囲繞地通行権と考えても、借地人の通行権が認められることになります。
次に、Bがこの通路部分をAから借地してしまった場合、他の借地人の通行権はどうなるかが問題になります。土地の一部譲渡の囲繞地通行権は、譲渡の当事者間のみに適用すべきか、袋地ないし囲繞地を譲り受けた特定承継人にも適用されるべきかが問題とされてきました。適用を否定し、通常の囲繞地通行権によって処理すべきであるとする考え方と、適用を認めないと、袋地所有者は、被通行地の譲渡という自分の関与しない出来事によって既得権を失ってしまうことになるから適用を認めるべきであるとする考え方が対立しています。
本問の場合、適用を否定する考えにたてば、借地人らは通路部分に従来主張できた囲繞地通行権を当然には主張できず、あらためて囲繞地通行権が主張できる位置、範囲が確定されることになります。適用を認めれば、通行権を従来通り主張でき、通路部分を借地したBが通行を妨害すれば、妨害の排除を求めることができることになります。後説を支持しますが、学説、判例ともに分かれています。
 契約上の通行権を借地人らはBに主張できるかについて、主張しうるとする見解もありますが、債権関係は契約当事者以外には主張できませんから疑問のあるところです。

土地
昔から境界が不明/ 境界の目印/ 境界標が無くなり隣が侵入してきた/ 河川との境界/ 登記所の地図は必ずしも現実の境界とは一致しない/ 買った土地の境界が違っていて家が建てられない/ 同じ買主から買ったのに隣りが登記面積より広い/ 分譲地の私道負担が多すぎて家が建たない/ 越境している隣家をそのままにしておくと時効で隣人の所有になる/ 隣りが境界線をこえて増築している/ 隣りのエアコン室外機が越境している/ 隣りの庭木が越境しているとき/ 借地の境界がはっきりしないとき/ 隣りとの塀は共同の費用でつくることができる/ 塀について隣人と意見があわないとき/ 共同の塀の修繕費用は平等に負担する/ 高い塀のために日当りが悪くなった/ 塀が壊れて通行人がケガをしたとき/ 土留めの石垣費用は崖の斜面の所有者が負担する/ 道路位置指定を受けるには/ 道路位置指定を受ける前に分譲業者が倒産したとき/ 道路にはり出して建物を建てているとき/ 私道確保の方法/ 通行地役権の時効取得/ 袋地の通行権を妨害されたとき/ 土地の一部を買って袋地となったとき/ 建築基準法に適合する道路分だけの袋地通行権/ 地主が借地人の私道を借地人の一人に貸してしまった/ 地主が借地人のために私道を売ってしまった/ 分譲によって袋地となった者の通行権/ 私道負担付の土地の譲受人の通行権/ 私道を勝手に閉鎖することはできない/ 私道への駐車は許されない/ 借地人のための私道への車の通行禁止/ 道路位置指定のある私道は権利者だけの同意だけでは廃止できない/ 整然とした道路を造るには/

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