私道確保の方法

私ども五軒は、各人が敷地の前の部分を提供しあって、公道に通じる幅四mの私道をつくりました。最近はこのような私道についての紛争が多いとのことですが、将来も心配なく私道として使うためには、どのような方法を講じておけばよいでしょうか。
私道が都市計画区域内にあり、建築基準法の規定により道路位置指定を受けた道路と仮定した場合に、この私道を将来とも幅員四mで確保することについて、行政的にどの程度期待できるでしょうか。この法律に次のような規定があります。(1)建築物または敷地を造成するための擁壁は、道路内にまたは道路に突出して建築し、または築造してはならない。(2)私道の変更または廃止によってその道路に接する敷地が、原則として幅員四m以上の道路に二m以上接していなければならないという制限に抵触することとなる場合には、特定行政庁(市町村長あるいは都道府県知事)はその変更または廃止を禁止し、または制限することができる。さて、この場合、私道が変更廃止されないかぎり(1)の制限でその幅員は確保されます。しかし、質問では私道と宅地の配置が明らかでないので、(2)の私道の変更廃止が可能かどうかがわかりませんが、かりに可能な場合には、私道が変更廃止されると(1)の制限は働かなくなり、建物が建てられたりして、幅員が四m未満となる可能性があります。
なお、民法に囲繞通行権(袋地通行権)の定めがありますが、これによって建築基準法に適合する道が確保できるかどうかについて判例はまだ確定していないので、幅員の確保の面では十分とはいえません。

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土地

私道が建築基準法上の道路でも、それが確保されない場合がありますが、私道が同法上の道路でない場合には、私道の確保について行政的にはなにもできないということになります。このため、当事者間で私道を確保しておくには次の方法が求められます。(イ)私道部分の土地を五人が共同所有する方法、この場合、各人の持分は原則としてそれぞれ各人が所有していた私道部分に対応したものとします。(ロ)各人が所有している私道部分について、それぞれ他の四人に対する通行地役権を設定する方法、(ハ)私道の使用率維持管理の方法等を定めた規約や協定を五人で締結する方法、(ニ)条例により建築協定を締結できる場合には、建築協定を五人で締結する方法などがあります。
これらのうち適当と思われるものを講じておけばよいのですが、私道についての紛争は特に土地の所有者が変わった場合に生ずるのが多いと思われます。この点で、(ハ)は契約行為なので当然には後の所有者には効力が及ばないため不安定な方法といえます。また、(イ)と(ロ)の場合には、第三者にも権利を主張するためには登記をしておかなければなりません。その場合、分譲地などでは各自の敷地に接続した部分を所有させると、道路に侵出して使用しがちだというので、離れたところの道路の一両を所有させるところが多くなっています。そこで、当事者間の方法としては、(イ)(ロ)(ニ)のような私道部分を各人が勝手に使用処分できないような方法をとるのが安心ということになります。
このほか、私道を市町村へ移管する方法があります。移管すると公道になり市町村によって維持管理されるので、道の確保の方法としては最も安定したものですが、移管するには、道の延長、幅員、他の道路との接続関係等について一定の要件が必要とされる場合が多く、希望すれば必ず移管できるとはかぎりません。また、私道部分の所有権を市町村に無償で譲渡する場合が多いことにも留意して下さい。移管については、市町村の道路課などに相談されるとよいでしょう。

土地
昔から境界が不明/ 境界の目印/ 境界標が無くなり隣が侵入してきた/ 河川との境界/ 登記所の地図は必ずしも現実の境界とは一致しない/ 買った土地の境界が違っていて家が建てられない/ 同じ買主から買ったのに隣りが登記面積より広い/ 分譲地の私道負担が多すぎて家が建たない/ 越境している隣家をそのままにしておくと時効で隣人の所有になる/ 隣りが境界線をこえて増築している/ 隣りのエアコン室外機が越境している/ 隣りの庭木が越境しているとき/ 借地の境界がはっきりしないとき/ 隣りとの塀は共同の費用でつくることができる/ 塀について隣人と意見があわないとき/ 共同の塀の修繕費用は平等に負担する/ 高い塀のために日当りが悪くなった/ 塀が壊れて通行人がケガをしたとき/ 土留めの石垣費用は崖の斜面の所有者が負担する/ 道路位置指定を受けるには/ 道路位置指定を受ける前に分譲業者が倒産したとき/ 道路にはり出して建物を建てているとき/ 私道確保の方法/ 通行地役権の時効取得/ 袋地の通行権を妨害されたとき/ 土地の一部を買って袋地となったとき/ 建築基準法に適合する道路分だけの袋地通行権/ 地主が借地人の私道を借地人の一人に貸してしまった/ 地主が借地人のために私道を売ってしまった/ 分譲によって袋地となった者の通行権/ 私道負担付の土地の譲受人の通行権/ 私道を勝手に閉鎖することはできない/ 私道への駐車は許されない/ 借地人のための私道への車の通行禁止/ 道路位置指定のある私道は権利者だけの同意だけでは廃止できない/ 整然とした道路を造るには/

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