土留めの石垣費用は崖の斜面の所有者が負担する

私の土地の隅は崖になっていて、今度家を建てたいのですが、土留め工事が必要です。この費用を、崖下の人も負担してもらえないのでしょうか。
この場合、結論から先にいえば無理のようです。第一に、崖上の土地および崖の斜面があなたの所有である場合(最近の分譲地は、ほとんどがこのようになっています)と、第二に、あなたは崖上の土地のみの所有者であり、崖の斜面は崖下の人の所有である場合とに分けて考えてみましょう。
第一の場合は、あなたの土地内に土留めの石垣をつくることになります。ですから、土留め工事をすることは自由ですし、工事の必要に応じて崖下の隣地内に立ち入りその使用をすることを要求できます。しかし、屋下の人に工事費用の分担を求めることはできないでしょう。
その理由は、まず、そのようなことを認める規定がないことです。民法は、境界を標示する界標の設置保存の費用および境界上に囲障を設置しこれを保存する費用については、分担して負担することを定めていますが、これは、界標および境界線上に垂直に建てられた囲障はどちらの所有ともいえないからです。(民法はこれを共有と推定しています)崖は通常勾配をもっていますから、崖の斜面全休が境界上にあるということはなく、 斜面は先に分類したようにどちらかの所有になるのです。そうだとすると、自分の所有地内に土留め工事をする揚合、その費用は自分で負担するほかはありません。

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土地

土留め工事をすることは、自分の利益にもなることだが、将来崖崩れなどのおそれがなくなるのだから崖下の人にとっても利益となることであり、費用の分担を請求できてもよいではないかといわれるかもしれません。しかし、あなたが家を建てる建てないにかかわらず、崖下の人は、もし崖が崩れそうな危険が現実に生じるおそれがある場合には、あなたに対し、その危険をとり除くこと(所有権にもとづく妨害予防請求)すなわち土留め工事をすることを請求でき、その場合の費用はあなたが負担しなければならないとされていること、崖が崩れた場合には、崩れた土砂等を自分の土地からとり除くことを要求でき(その他家屋などに損害が生じればその損害賠償も合めて所有権にもとづく妨害排除請求)この場合もその費用はあなたが負担しなければならないと通常考えられていることなどの点から考えても、土留め工事が崖下の人にとっても利益となるとしても、費用の分担は求められないでしょう。
もっとも、崖の斜面がほとんど垂直であれば、そこにつくられた石垣などは、囲障と考えられないこともありませんし、こんな場合でなくとも、土留め工事によって屋下の人の受ける利益が非常に大きいときは、前述の囲障についての民法の規定の精神から考えて、この費用を崖下の人にも分担してもらってもよいという見解もあります。
第二の場合は、他人の土地を自分の利益のために使用するのですから、土留め工事をするには崖下の土地の所有者と話しあい、その承諾を得なければなりません。ふつうでしたら、土留めの石垣工事の費用は全額こちらで負担する、崖に土留め工事をすることはあなたの方にも利益になることであり、屋の斜面は他に適当な利用方法もないでしょうから認めて下さいという形でもちかけることになるでしょう。そして、石垣のために法律上の土地利用権、すなわち地上権か賃借権を設定し、相当の額の賃料を支払うということになりましょう。もっとも、崖下の土地所有者の崖の管理、保全が悪く、このまま放っておくと崖崩れの危険があるといったような場合には、第一の場合と同様に、あなたは崖下の人に対して、その危険をとり除くこと、すなわち土留め工事をすることを請求でき、その場合の費用は、崖下の人に負担してもらえることになります。

土地
昔から境界が不明/ 境界の目印/ 境界標が無くなり隣が侵入してきた/ 河川との境界/ 登記所の地図は必ずしも現実の境界とは一致しない/ 買った土地の境界が違っていて家が建てられない/ 同じ買主から買ったのに隣りが登記面積より広い/ 分譲地の私道負担が多すぎて家が建たない/ 越境している隣家をそのままにしておくと時効で隣人の所有になる/ 隣りが境界線をこえて増築している/ 隣りのエアコン室外機が越境している/ 隣りの庭木が越境しているとき/ 借地の境界がはっきりしないとき/ 隣りとの塀は共同の費用でつくることができる/ 塀について隣人と意見があわないとき/ 共同の塀の修繕費用は平等に負担する/ 高い塀のために日当りが悪くなった/ 塀が壊れて通行人がケガをしたとき/ 土留めの石垣費用は崖の斜面の所有者が負担する/ 道路位置指定を受けるには/ 道路位置指定を受ける前に分譲業者が倒産したとき/ 道路にはり出して建物を建てているとき/ 私道確保の方法/ 通行地役権の時効取得/ 袋地の通行権を妨害されたとき/ 土地の一部を買って袋地となったとき/ 建築基準法に適合する道路分だけの袋地通行権/ 地主が借地人の私道を借地人の一人に貸してしまった/ 地主が借地人のために私道を売ってしまった/ 分譲によって袋地となった者の通行権/ 私道負担付の土地の譲受人の通行権/ 私道を勝手に閉鎖することはできない/ 私道への駐車は許されない/ 借地人のための私道への車の通行禁止/ 道路位置指定のある私道は権利者だけの同意だけでは廃止できない/ 整然とした道路を造るには/

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