高い塀のために日当りが悪くなった

私の家は、一階は住居で、二階はアパートになっています。アパートの窓には全部目隠しをつけたのですが、隣りの人はそれでもまだ自分の家をのぞかれるといって境界のところに五mもの高いへいをつくってしまいました。このため日当りも風通しも悪くなって困っています。塀を低くしてもらうことはできないでしょうか。
塀の高さがどのくらいでなければならないということはありませんが、本問のケースは非常識です。
本問の場合と似た判例があります。Aがその敷地にほぼいっぱいに建物を建て、その二階窓は隣地Bの居宅を見通せる状態になったので、Bは見通されるのを嫌って、二階の窓をこえる五m余、長さ一〇mの木造亜鉛鉄板張の塀をつくったのです。そのためAの二階の採光、通風が著しく妨げられたので、Aはその除去を求め、のちに、自ら費用を負担するという前提で、板べいの上端から一m二一cmの不透明塩化ビニール板につけかえたいということを請求しました。裁判所はこの請求を認めました。
塀の高さがどのくらいでなければならないということはないといいましたが、民法は境界に塀をつくるときの費用負担の基準として二mといっておりますから、この辺が合理的な高さだといってよいでしょう。常識からいっても、この程度がふつうでしょう。

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土地

この二mという合理的な高さをこえて塀をつくったために、相手方に日照、通風妨害を生じさせた場合には、塀をつくった者に格別の理由がなければならないわけですが、あなたが建物の窓に目かくしをつけるという措置をとっているのですから、二mをこえて塀をつくる格別な理由もないようです。そうするとこのような高い塀の設置は違法性があるといってよいでしょう。前にあげた判例は、窓に目隠しをつけていないでも違法性があるというのですから、本問の場合にはもっと強く違法性が指摘されることになるでしょう。
このような塀の設置が違法性があるとすれば、不法行為(故意または過失により違法に他人の権利を侵害する行為)が成立し、設置者に損害賠償の責任が生じます。日照、通風を妨害されて快適な生活を送れなかったのですから、精神的苦痛に対する損害賠償(慰謝料)の請求ができることは間違いありません。
問題は、低くしてくれとか、除いてくれという請求です。もし、この塀が板で取こわしも簡単なら、一応介理的だと思われる二mくらいまで低くしてくれという請求が認められるでしょう。もし、この塀がコンクリートでがっしり固められたものであり、建物と一部連結していて、二mまで低くするのにかなりの費用がかかり、建物にも損害が生ずるというような場合であれば、相当な範囲、例えば三mまで認め、あとは慰謝料でということになりましょう。
あなたの窓の目かくしが不備で、隣りがのぞかれる(もっとも民法では、境界線より一m離れている建物の窓といっております。しかも建物が建てこんでいる商業地域などには適用はないと思います。)というようでしたら、前に示した判例のように上の方を不透明の塩化ビニール板にしてくれという請求ができるでしょう。角度なとから、ある部分は金網にしてくれという請求もできるだろうと思います。

土地
昔から境界が不明/ 境界の目印/ 境界標が無くなり隣が侵入してきた/ 河川との境界/ 登記所の地図は必ずしも現実の境界とは一致しない/ 買った土地の境界が違っていて家が建てられない/ 同じ買主から買ったのに隣りが登記面積より広い/ 分譲地の私道負担が多すぎて家が建たない/ 越境している隣家をそのままにしておくと時効で隣人の所有になる/ 隣りが境界線をこえて増築している/ 隣りのエアコン室外機が越境している/ 隣りの庭木が越境しているとき/ 借地の境界がはっきりしないとき/ 隣りとの塀は共同の費用でつくることができる/ 塀について隣人と意見があわないとき/ 共同の塀の修繕費用は平等に負担する/ 高い塀のために日当りが悪くなった/ 塀が壊れて通行人がケガをしたとき/ 土留めの石垣費用は崖の斜面の所有者が負担する/ 道路位置指定を受けるには/ 道路位置指定を受ける前に分譲業者が倒産したとき/ 道路にはり出して建物を建てているとき/ 私道確保の方法/ 通行地役権の時効取得/ 袋地の通行権を妨害されたとき/ 土地の一部を買って袋地となったとき/ 建築基準法に適合する道路分だけの袋地通行権/ 地主が借地人の私道を借地人の一人に貸してしまった/ 地主が借地人のために私道を売ってしまった/ 分譲によって袋地となった者の通行権/ 私道負担付の土地の譲受人の通行権/ 私道を勝手に閉鎖することはできない/ 私道への駐車は許されない/ 借地人のための私道への車の通行禁止/ 道路位置指定のある私道は権利者だけの同意だけでは廃止できない/ 整然とした道路を造るには/

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