隣りのエアコン室外機が越境している

私の家と隣家との間は五〇cmくらいしか離れておず、その境界は、私の家と隣家との中間なのですが、先日隣家がエアコン室外機を取りつけましたが、それが境界をこえて私の土地に入っているようです。将来私の家を改築するときに困るのではないかと思いますが、こんな場合どのような解決をすればよいのでしょうか。
今日、エアコンなどの機器が普及するにつれて隣り近所のトラブルに新たな問題が生じつつあるといえましょう。まず本問では、隣家との間が五〇cmくらいしか離れていない、つまり、境界線からそれぞれ五〇cm以上離して建物が築造されなければならないとする民法の原則に反しているわけですが、この点については、両家屋の存在する地域に民法の定める原則とは異なった慣習があるか、あるいは建築基準法上とくに認められている場合ということで話を進めていくことにしましょう。
土地の所有権はふつうその土地の上下に及びます。したがって、隣家の土台そのものは隣地内にあったとしても、境界線上の空間を越えてエアコン室外機があなたの土地の方へとび出しているとすれば、これらやはり土地所有権の侵害となります。あなたとしては土地所有権の円満な行使が不当に妨げられることになります。例えば、あなたの家を改築したり、増築したりする場合、あるいは、木を植えたりする場合に、その空間を利用することが妨げられることになりましょう。したがって、隣人に対して所有権にもとづく妨害排除の請求をされるとよいでしょう。

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土地

妨害排除の請求はつねに認められるとはかぎりません。請求が権利の濫用となる場合があるからです。そして、境界線から一定距離の保持を求めることは、建物の竣成後は認められない旨の民法二三四条二項の規定が越境建築の場合にも類推適用されます。
本問の場合を考えてみますと、隣家のエアコン室外機はその取りつけが完了しているようです。としますと、越境建築の完了した場合と同じように越境エアコンの除去を求めることが権利の濫用となるのでしょうか。本問の場合は濫用とはなりません。あなたの排除請求に応じて隣人がエアコン室外機を除去したとしましても、その除去によって生ずる隣人の損失はさほど大きなものとはいえないからです。
他方、わずかな空間を侵害しているに過ぎないのだからそれをあなたの側で受忍するのも社会生活上やむをえないのではないかという考え方もありえます。しかし、隣家に取りつけられたものがエアコンであることを考え合わせますと、それが始動した場合生ずる騒音、熱風の大半があなたの土地に流入することになりましょう。そして、当然のことながらあなたの家の中にも流入してきてあなたや家族の生活を妨害することになりましょう。このように将来において妨害の生ずるおそれが大きい場合には、これを予防する請求をすることができます。妨害予防請求権がそれです。現に妨害が生ずるまで黙っている必要はありません。エアコンの騒音、熱風の害を考えますと、たとえエアコンそのものがほんのわずか越境しているにすぎない場合でも、妨害の予防を隣人に対して請求できることとなります。
そこであなたの場合、まず前述のような法律上の根拠を説明して、隣人にその撤去を求め、それでも撤去してくれないときは、あなたの住所地を管轄する簡易裁判所に調停の申立をし、裁判所を仲介人として円満に話合いで解決するとよいでしょう。

土地
昔から境界が不明/ 境界の目印/ 境界標が無くなり隣が侵入してきた/ 河川との境界/ 登記所の地図は必ずしも現実の境界とは一致しない/ 買った土地の境界が違っていて家が建てられない/ 同じ買主から買ったのに隣りが登記面積より広い/ 分譲地の私道負担が多すぎて家が建たない/ 越境している隣家をそのままにしておくと時効で隣人の所有になる/ 隣りが境界線をこえて増築している/ 隣りのエアコン室外機が越境している/ 隣りの庭木が越境しているとき/ 借地の境界がはっきりしないとき/ 隣りとの塀は共同の費用でつくることができる/ 塀について隣人と意見があわないとき/ 共同の塀の修繕費用は平等に負担する/ 高い塀のために日当りが悪くなった/ 塀が壊れて通行人がケガをしたとき/ 土留めの石垣費用は崖の斜面の所有者が負担する/ 道路位置指定を受けるには/ 道路位置指定を受ける前に分譲業者が倒産したとき/ 道路にはり出して建物を建てているとき/ 私道確保の方法/ 通行地役権の時効取得/ 袋地の通行権を妨害されたとき/ 土地の一部を買って袋地となったとき/ 建築基準法に適合する道路分だけの袋地通行権/ 地主が借地人の私道を借地人の一人に貸してしまった/ 地主が借地人のために私道を売ってしまった/ 分譲によって袋地となった者の通行権/ 私道負担付の土地の譲受人の通行権/ 私道を勝手に閉鎖することはできない/ 私道への駐車は許されない/ 借地人のための私道への車の通行禁止/ 道路位置指定のある私道は権利者だけの同意だけでは廃止できない/ 整然とした道路を造るには/

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