分譲地の私道負担が多すぎて家が建たない

住宅を建てるつもりで分譲地を買いました。一平方メートル当りの単価も格安だと思ったのですが、実際は私道部分が全休の三割にもなっていて、残された部分では建ぺい率の関係から計画したとおりの家を建てることができません。売買契約を解除することができるでしょうか。
分譲地を買ったところ、思わぬ私道負担部分があって予定どおりの建築ができない、このような問題は、今日でも頻繁におきています。分譲業者は、宅地建物取引業法によって、私道負担がある場合には買主に対して正確にその説明をしなければならない義務を負っていて、これに違反すると免許取消や業務停止などの処罰を受けることになっていますが、現実には私道負担があることを隠して売りを急ぐ悪質な業者が後を絶ちません。
現地をみてすでに私道と敷地が区画されている場合は、買主が負担する私道部分の位置および契約面積と敷地面積の差(私道負担面積)を確認すればよいわけですが、一面の土地に分譲区画の区割のみがなされているときには、その土地のどこに道路が通ることになっているかはただちにはわかりません。これを知るためには、道路位置指定を受けているか、受けている場合にはどの部分が指定されているかを市町村役場の建築課で調べる必要があります。

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土地

本問の場合、私道部分が三割に及ぶことを知らなかったため、予定した建築が不可能となったというケースです。建ぺい率は、所有面積(契約面積)と建築面積の比ではなく、敷地面積と建築面積の比であるため、私道負担が増大すれば、それと同じ割合で建築可能面積が減少するのでこのような問題が生じます。
このような場合、買主は、できれば売買契約を解除して代金を返してもらうか、少なくとも損害の賠償を求めたいと考えるでしょう。民法では、このような場合一般に、売買の目的物に「隠れた瑕疵」があるものとみて、売主にその責任を負わせ、買主が契約を解除するか、損害賠償を求めることを許しています。ただし、私道部分があることがわかったときはいつでも、この売主の責任が成立するとは限りません。そのためには、一定の条件が必要です。
まず、買主が三割の私道部分があることを知っていた場合は売主の責任を追及できません。次に、買主に過失があって私道負担について知らなかったという場合も、同じです。例えば、分譲業者が私道負担について説明をしたのに、それを忘れて契約面積がそのまま敷地として使えるものと思いこんでいた場合は、買主に過失があります。
また、隣りの土地と単位面積あたりの価格が大きく違う(そのような場合は、契約面積中、私道部分がとくに大きいのがふつうです)ことについて疑問をもたずに買い受けた場合にも、買主に過失があったといえる場合があるでしょう。このように、注意すれば気がついたはずの瑕疵は、「隠れた瑕疵」とはいえないのです。
買主に過失がない場合は、買主は、私道負担の存在によって計画した建築が不可能であるため購入した目的が達せられないというときは、売買契約を解除して、代金の支払を免れまたすでに支払っていればその返還を求めることになります。このような事情がないときは、買主は、売主に対して私道負担によってこうむった損害の賠償を要求することができるにとどまります。
この売主に対する責任の追及は、三割の私道負担部分があったことを知ったときから一年間にかぎって許されます。

土地
昔から境界が不明/ 境界の目印/ 境界標が無くなり隣が侵入してきた/ 河川との境界/ 登記所の地図は必ずしも現実の境界とは一致しない/ 買った土地の境界が違っていて家が建てられない/ 同じ買主から買ったのに隣りが登記面積より広い/ 分譲地の私道負担が多すぎて家が建たない/ 越境している隣家をそのままにしておくと時効で隣人の所有になる/ 隣りが境界線をこえて増築している/ 隣りのエアコン室外機が越境している/ 隣りの庭木が越境しているとき/ 借地の境界がはっきりしないとき/ 隣りとの塀は共同の費用でつくることができる/ 塀について隣人と意見があわないとき/ 共同の塀の修繕費用は平等に負担する/ 高い塀のために日当りが悪くなった/ 塀が壊れて通行人がケガをしたとき/ 土留めの石垣費用は崖の斜面の所有者が負担する/ 道路位置指定を受けるには/ 道路位置指定を受ける前に分譲業者が倒産したとき/ 道路にはり出して建物を建てているとき/ 私道確保の方法/ 通行地役権の時効取得/ 袋地の通行権を妨害されたとき/ 土地の一部を買って袋地となったとき/ 建築基準法に適合する道路分だけの袋地通行権/ 地主が借地人の私道を借地人の一人に貸してしまった/ 地主が借地人のために私道を売ってしまった/ 分譲によって袋地となった者の通行権/ 私道負担付の土地の譲受人の通行権/ 私道を勝手に閉鎖することはできない/ 私道への駐車は許されない/ 借地人のための私道への車の通行禁止/ 道路位置指定のある私道は権利者だけの同意だけでは廃止できない/ 整然とした道路を造るには/

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