境界の目印

私の所有地の隅に大きな岩があり、それが先祖代々隣地との境界だとされてきました。この岩は付近の名所の一つとなっており、近年はこのあたりが別荘地として脚光をあびて地価が上がったため、売りたいと思います。隣人はこの岩は自分の物だと主張していますが、測量するにはどこから測量すればよいのでしょうか。
所有地の隅に岩があるとのことですが、所有地が通常の四角い土地であるとすると、その岩はその一隅の角の部分にあって通信二方の隣地に隣接するものと考えられますが、わかりやすくするため一方の隣地との境界のみを考えます。その岩はかなり大きなもので幅も奥行も相当あるものと思われますが、その岩が境界であるということが認められるとしても、それではきわめて漠然としていて境界をその岩のどの部分に引いてよいのか困ることになります。あるいはそのような漠然としたものでなくて、当初はその岩のどこかに境界の標示が存在していたのだ、という事実が証明されれば問題ありませんが、その岩が境界であるという事実だけしかわからないものとして考えてみます。
この場合、通常の境界確定の方法だけでは解決できません。といいますのは、一応境界をきめるべき範囲がわかったとして、さらに幅も奥行もあるその岩のどこに境界線を引くのか、依然として未解決の問題が残るからです。同様な問題は、大木や溝渠を境界とする揚合の境界線の確定について起こりうるでしょう。この場合の解決方法としては法律上規定がありませんので、条理、社会通念にしたがって解決するほかありません。この条理を考えるのに、境界線上の物は共有と推定する規定、他人の物のなかで発見した埋蔵物は発見者と所有者が折半する規定、共有持分の割合は相均しいものと推定する規定などが参考になります。これと同様の考えは、河川や山頂などの自然を境界とした際の境界線の判定に昔から取り入れられております。したがってこの場合、条理によって解決をはかるとすれば、その岩の中央をもって境界線とすることになるのは当然です。ただし、この際もあなたの地方にこれと異なる慣習があれば、その慣習に従うことになります。

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土地

以上はこの岩を境界の目印としての観念からのみ考えたのですが、岩の所有権を境界とは無関係に考えられるでしょうか。すなわち境界は土地の所有権を区画するのですが、その地盤の所有権とは別にこの岩の所有権を認定できるでしょうか。もし岩につき別個に所有権を認定するとなると、本来岩は土地の定借物で地盤の所有権にしたがうものなのであって、土地に定着したままでは独立の所有権の対象とならない、とする定説に反することになります。しかし、民法の「疆界線上二段ケタル界標、囲障、靉壁及ヒ溝渠ハ相隣者ノ共有二属スルモノト推定」する規定は、反対の証拠があれば相隠者の一方の単独所有を前提とするものですから、境界線上のこれらについては、土地の定着物は地盤の所有権にしたがうという所有権の規定の特則を定めたものと考えられます。したがって、質問の岩が、境界線上にもうけた界標等の中に入るかどうかによりますが、少なくともこの推定規定の類推をうけるものと考えられますので、隣人またはあなたの単独所有が認められる余地があり、いずれかの単独所有の証明かつかなければ両者の共有物になるわけです。

土地
昔から境界が不明/ 境界の目印/ 境界標が無くなり隣が侵入してきた/ 河川との境界/ 登記所の地図は必ずしも現実の境界とは一致しない/ 買った土地の境界が違っていて家が建てられない/ 同じ買主から買ったのに隣りが登記面積より広い/ 分譲地の私道負担が多すぎて家が建たない/ 越境している隣家をそのままにしておくと時効で隣人の所有になる/ 隣りが境界線をこえて増築している/ 隣りのエアコン室外機が越境している/ 隣りの庭木が越境しているとき/ 借地の境界がはっきりしないとき/ 隣りとの塀は共同の費用でつくることができる/ 塀について隣人と意見があわないとき/ 共同の塀の修繕費用は平等に負担する/ 高い塀のために日当りが悪くなった/ 塀が壊れて通行人がケガをしたとき/ 土留めの石垣費用は崖の斜面の所有者が負担する/ 道路位置指定を受けるには/ 道路位置指定を受ける前に分譲業者が倒産したとき/ 道路にはり出して建物を建てているとき/ 私道確保の方法/ 通行地役権の時効取得/ 袋地の通行権を妨害されたとき/ 土地の一部を買って袋地となったとき/ 建築基準法に適合する道路分だけの袋地通行権/ 地主が借地人の私道を借地人の一人に貸してしまった/ 地主が借地人のために私道を売ってしまった/ 分譲によって袋地となった者の通行権/ 私道負担付の土地の譲受人の通行権/ 私道を勝手に閉鎖することはできない/ 私道への駐車は許されない/ 借地人のための私道への車の通行禁止/ 道路位置指定のある私道は権利者だけの同意だけでは廃止できない/ 整然とした道路を造るには/

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