譲渡担保と売渡担保

権利移転型の譲渡担保には、売渡担保と狭義の譲渡担保の二つの類型があります。前者は債権債務関係は存続せず、売主(債務者)が所有権を回復する権利を有するにすぎないものであるのに対して、後者は、債権債務関係が存続し、債権担保のために、信託的に所有権を移転させるのであるとされます。この狭義の譲渡担保と売渡担保のいずれであるかを判別するのは当事者の意思解釈の問題ですが、目的物が滅失した場合に担保権が消滅しても債権が存続する狭義の譲渡担保と推定すべきであると解されています。しかし、現在では、仮登記担保について形成された清算型担保の理論を狭義の譲渡担保だけでなく売渡担保にも適用すべきことが主張されており、両者を区別する実益はないといえます。

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従来は、譲渡担保権における外形的な所有権移転に着目して、議渡担保を、当事者間では依然として設定者が所有者であるが対外的には所有権が担保権者に移転しているという外部的移転型と、当事者間でも対外的にも所有権が担保権者に移転しているという内外共移転型に分けることが行なわれ、それぞれ効果が異なるとされていました。しかし、最近では、担保目的のために行なわれるものであることに着目して、担保としての効力以上のものを与えるべきではないと解されています。
被担保債権については、抵当権における三七四条のような制限はありませんが、利息については利息制限法の制限を超過する部分については担保権の効力は及びません。次に、目的物の範囲については、付加物はもちろん、従物にもその付属させた時の何時であるかを間わず譲渡担保権の効力が及びます。譲渡担保にも物上代位の規定が類椎されるかは、主として損害保険金請求権との関係で問題となります。担保権者が自己を被保険者として保険契約を締結した場合には、保検金は担保険者に帰属するが清算が必要とされ設定者が保険契約を締結した場合には担保権者は物上代位をなしえます。
目的物(土地)を占有、利用する権限を担保権者または設定者のいずれが有するかは当事者の合意で定まります。目的物(土地)の直接占有を設定者に留める場合には、形式的に当事者間で賃貸借契約が締結されることが多く、従来の判例はこの点につき、外部的移転の場合には所有権は設定者に留まっているのだから設定者は所有権にもとづいて占有、利用しており、賃貸借契約は虚偽表示として無効であるとして、内外共移転の場合には賃貸借契約は有効であって賃料不払いによる解除も認められると解していました。しかし、担保権的構成にたてば、設定者は所有権にもとづいて目的物(土地)を占有、利用しているのであり、賃料の実質は利息であると考えられるために、賃料不払いによる解除を認めるべきではありません。譲渡担保は外形的には所有権を担保権者に移転するので、担保権の実行として設定者に請求することは、目的物を設定者が直接占有している場合には目的物の引渡所有権移転の登記がなされていない場合の所有権移転の本登記が考えられます。議渡担保における外形的な所有権の移転は、担保目的のためになされたものであるために、債権額を超えた担保物の価値を債権者に取得させる理由はなく、譲渡担保権者が担保権を実行して目的物から弁済をうけるにあたっては、目的物の価額と債権額の差額を清算金として設定者に交付しなければなりません。従来は、無清算特約を有効としていましたが現在では、仮登記担保と同様に、無清算特約は清算を必要とする判例法の内容を変更する契約として一七五条により無効であると解されています。清算の方法としては、処分清算と帰属清算の二つの方法が考えられることは仮登記担保と同様です。大審院時代の判例は処分清算とするものが多く最高裁も当初、処分清算としていましたが、後に処分清算と帰属清算の双方を認めている担保権の実行としての目的物の引渡と清算金の支払いは引換給付の関係にあるため、目的物引渡請求の時点で目的物を適正に評価することを必要とし、事実上帰属清算となります。設定者が、債務を弁済して担保権を消滅させ完全な所有権を回復することができるのは、処分清算の場合は処分時まで、帰属清算の場合は清算金提供時まで、と解されています。
譲渡担保権者、設定者の目的物(土地)保管義務では、譲渡担保権者は担保目的で譲り受けたのであるため、目的物を第三者に譲渡するなどした場合には目的物の全価値を設定者に賠償することを要します。また、設定者が目的物を毀滅するなどした場合は被担保債権額を賠償する責めに任じます。
譲渡担保設定者は所有権を有しているため、目的物(土地)を第三者に処分することができ、この場合には担保権者は第三者に対して追及力を有すると解されています。設定者の一般債権者が目的物(土地)を差し押えることの可否は登記によって決定されます。
担保権者が目的物(土地)を被担保債権とともに処分することは可能で、この場合には、譲受人が善意の場合には完全な所有権を取得し、悪意の場合には設定者は受戻権を譲受人に主張しうると解されます。担保権者の一般債権者が目的物を差し押えた場合では、設定者は差押債権者に弁済して担保権を消滅させて第三者異議の訴えを提起することができます。

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