借地権価格と底値価格

宅地の類型とは、その有型的利用および権利関係の態様に応じて区分される宅地の分類です。評価の観点から宅地の類型は、更地、建付地、借地権および底地に分けられます。更地は、建物等の定着物がなく、かつ、使用収益を制約する権利の付着していない宅地です。更地は、未利用の宅地であり、宅地として最も基本的な形態であって借地権および底地の原型といえます。更地の状熊に借地権が付着すると、その宅地は借地権と底地に分かれ、それぞれについて価格が成立します。

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借地権は、借地法にもとづく借地権であり、底地は、宅地について借地権の付着している場合におけるその宅地の所有権をいいます。債地権および底地の価格を求めるにあたっては、まず、次の事項を調査し相互に比較検討すべきです。
宅地の賃貸借および借地権取引の慣行の有無とその成熱の程度は地域によって異なります。都市により取引慣行は異なり、同一都市内でも地域によって相違することがあることに注意すべきです。一般的には、地価水準の高い地域ほど成熟度は高くなります。借地権の存在は必ずしも借地権価格の存在を意味するものではありません。地価と賃料が利回りを通じてバランスがとれ、借地人に経済的利益が発生していない場合は、借地権価格発生の余地がありません。借地権の態様には次のようなものがあり、それぞれ借地権価格と関連します。
創設されたものか継承されたものか。更地を借地とするため新たに設定されたものか、前借地人から引き継いだ借地権であるかの別です。
地上権であるか賃借権であるか。地上権は物権であり譲渡性があるのに対し、賃借権は債権でありその譲渡には地主の承諾等を要します。この権利の強弱が反映し、地上権による借地権は賃借権のそれに比し価格が高いことが指摘されます。堅固の建物の所有を目的とするかその他の建物の所有を目的とするか。建物の構造は借地法により借地期間の長短に関係するとともに貸借関係の心理面に影響し、借地権価格と関連します。書面による契約であるか口頭による契約であるか。借地権の効力には相違はありませんが、書面によるものが立証の点から優っています。登記されたものか否か。借地権は、登記することによって第三者に対抗することができますが、現実に登記の例ほとんどなく借地上の建物の登記をもって対抗しています。転貸か否か。地主から直接宅地を借りたものか、借地人から転借したものかの区分であり、転借の場合名義書替料等の負担があります。借地権価格は、所在地域や建物の構造で異なるなどその形成要因は複雑ですが、借地契約が有償で設定されたか否かの観点から次のように分類されます。
借地権が有償で設定または移転されたことによりその価格が発生したもの。更地であった宅地を借地とするため権利金等を支払って借地権を設定したものや借地権価格相当額を前借地人に支払って借地権を取得したものがこれに該当します。
借地期間中に自然にその価格が発生したもの。地価の低い時期に契約され、権利金などの支払いを行なわず借地権を設定したものが、その後の地価上昇に賃料が追いつかず、また、自然に慣行が成熱するなどして借地権価格が発生する場合です。
前二者の混在したもの。現実の借地権価格の形成に多いもので、権利金支払いにより発生した借地権価格が、時の経過によりさらに借り得部分が追加され取引される例が該当します。
借地権価格は、借地権の付着している宅地について、借地人に帰属する経済的利益が発生している場合において、慣行的に取引の対象となっている当該経済的利益の全部又は一部をいうと定義づけられています。この場合の借地人に帰属する経済的利益は、当該宅地の経済価値に即応した適正な賃料と各支払時期に支払われる賃料との乖離及びその乖離の持続する期間を基礎にして成り立つ経済的利益の現在価値であると説明されています。このように借地権価格は、現在の賃料が地価上昇に伴う時価に追いつかない状況において、その差額の利益を基礎とした価格ということができます。
借地権の価格は、借地権および借地権を含む複合不動産の取引事例に基づく比準価格ならびに土地残余法に基づく収益価格を関連づけて得た価格を標準として決定されます。借地権価格は、実際に取引されていわゆる借地権相場を形成している取引事例から得られる価格と、借地権付建物のあげている総収益から借地権部分に帰属する純取益を抽出しそれを還元して得た価格の二つを基準に求められるものです。なお、この価格を求めるに際して次の事項を総合的に比較考量するものとしています。
将来における賃料の改訂の実現性とその程度。賃料の増滅は、借地権価格の基礎である借地人の借り得部分に影響します。借地権の態様および建物の残存耐用年数。借地権の態様と建物の残存耐用年数は、借地権価格に関連します。契約締結の経緯および経過した借地期間ならびに残存期間。借地権は債権であり、契約締結時の経緯は借地権価格に影響します。物権的付与もあり、借地期間の短縮に正比例して借地権価格が滅額することはありませんが、期限到来時の更新料の負担もあって、残存期間の長短は、借地権価格に関連します。契約にあたって授受された一時金の額およびこれに関する契約条件。いわゆる権利金の額は、借地権価格にきわめて近いとされています。将来期待される一時金の額およびこれに関する契約案件。この一時金としては、期限到来時の更新料、建物建替時の承諾料、第三者へ譲渡する際の名義書替料などがありますが、年々慣行として成熟しつつあります。借地権価格にとってマイナス要因です。借地権または底地の取引慣行および取引利回り。借地権取引が慣行として成熟している場合における借地権割合。更地価格に借地権割合を乗じて借地権価格を求める方法は現実によく行なわれています。当該宅地に係る更地としての価格または建付地価格。借地権価格の上限値としての意味があります。
底地の価格は、借地権の付着している宅地について、借地権の価格との相互関係において賃貸人に帰属する経済的利益をいうと定義づけられています。この場合の経済的利益は、当該宅地の実際支払賃料から諸経費を控除した部分の賃貸借等の期間に対応する経済的利益及びその期間の満了等によって復帰する経済的利益の現在価格である。と説明されています。このように底地価格は、現実の賃料より生じる純取益と将来期待される一時金に対応する価値とされています。底地の値格は、実際支払賃料にもとづく純収益を還元して得た収益価格および比準価格を関連づけ決定されます。この決定に際しては、前述の借地権価格を求める際の八事項を総合的に比較考量するものとされています。なお、底地をその宅地を使用している借地人が買い取る場合の評価は、この評価方法によるほか、当該宅地が同一人に帰属し完全所有権となることによる増価を考慮しなければなりません。

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