地下埋蔵物の所有権

民法二三九条ないし二四八条は所有権の取得と題して、無主物先占、遣失物取得、埋蔵物発見、附合、混和、加工について規定しています。これらは、いずれも所有権の原始取得原因であり、売買その他の契約や相続による所有権の承継取得と区別されるものです。現代社会において、民法上のこれらの規定の機能するところはあまり多くなく、所有権の原始取得が問題となりうるのは、農業、漁業のほか各種製造加工業が考えられますが、これらの場合にも、それらの産業における企業主体である使用者と労働者との契約関係が問題となり、民法の所有権の原始取得に関する規定が直接に問題とされ、適用されることはほとんどないと考えられるからです。

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土地

地下から発見された物が無主物か埋蔵物かで法律上の効果は異なっています。無主物とは、現に所有者のない物です。地下から発掘された物であっても、かつて何人かに所有され、現在でもその相続人の所有に属すると認められる物は埋蔵物であって、無主物ではありません。これに対して、かつて何人にも所有されなかったと考えられる物は無主物です。所有者が所有権を放棄したときも無主物となります。なお未採掘の鉱物は国家の独占的支配権に服するために、先占の目的となりませんが、鉱区外で分離した時は無主の動産となります。
無主物は動産でなければなりませんが、埋蔵物は動産であることが普通ですが不動産であってもかまいません。
無主物を先占によって取得する要件には、所有の意思を以て之を占有することが加えられます。被用者をして海中の魚や海藻を採取させるときは、機関による占有として雇主の所有に属することになります。
無主物の場合は、以上の要件が満足されたとき、先占者は法律によって当然に所有権を取得することになりますが、埋蔵物の場合には、その発見者が特別法による公告をして後六か月内に所有者があらわれないときにのみ所有権を取得します。埋蔵物に関する特別法は、遺失物法であり公告その他の手続は、遺失物捨得の場合と同様です。
埋蔵物は発見者がこれを取得します。発見とは捨得と異なり、占有を取得することを必要としません。したがって、建築基礎工事中に地下から発見されたような場合において、これを発見したのがその工事のため雇傭された労働者であるとすれば、発見者はこの労働者であり指揮監督者ではありません。逆に、特に埋蔵物発見のために他人を雇ったのであれば、この雇人は雇主の機関として埋蔵物を発見したというべく、発見者は雇主になります。
昭和二五年に制定された文化財保護法により、埋蔵物が文化財であるときは、これを発掘するについて制限が加えらるほか、民法二四一条および遺失物法の特例が定められています。つまり埋蔵文化財の所有権は、所有者が判明した場合にはその所有者に帰属しますが、所有者が判明しない場合は一定の手続を経て、所有権権は国庫に帰属すべきものとし、発見者および発見された土地の所有者は、文化財の価額に相当する額の報償金を折半してうけます。自己の土地でその文化財を発見した者は、その金額をうけることになります。
埋蔵物とはすでに述べたように、土地その他の物のなかに、外部からは容易に目撃できないような状態におかれ、現に所有者が何人であるか容易に知りえない物をいい、発見された物が、先に述べた海洋の魚貝類のほか、古生物の化石類、先住民族の土器のような所有者がいないと考えられる物であれば、無主物先占が問題となりますが、発見者がこの墓礎工事のために雇傭された労働者であるとしても、発見者はこの労働者であり、彼の肩用主またはその指揮監督者ではありません。問題は、埋蔵物たる当該の土地の所有者との関係ですが、民法は、このような場合について埋蔵物の所有者と発見者とで、埋蔵物の所有権を折半するものとしています。つまり原則として二分の一の持分で共有することになります。

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