鑑定評価の対象の不動産

不動産鑑定評価は、一般に不動産の経済価値を判定し、これを貨幣額をもって表示する作業であるといわれています。それは専門家としての鑑定人の不動産の価値に関する判断であり、意見であるといえますが、この中には四つの基本的な事項が含まれています。第一は、鑑定評価の対象である不動産自体とその特質を、また、不動産の価格およびその特徴を、専門職業家である不動産鑑定士等が、いかに把握しているかということであり、第二は、鑑定主体をどのように認識するかということです。第三は、主体が判定すべき経済価値とはいかなる価値かということです。第四は、その経済価値を判定するに必要な基本原則です。不動産とは、一般に土地とその定着物をいうといわれていますが、鑑定評価の対象である不動産の把握については、人間の諸活動との関係から深く究明する必要があると思われます。

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土地

不動産、特に土地は、その代表的なものですがアメリカ鑑定人協会で規定している倫理規定では、その冒頭で、総ての富の源泉は土地であると述べています。また、リアルターの倫理規定でも、万物の基礎は土地である。国民の幸福の増進と自由制度の発展は、かかってこの土地の賢明な利用と広く行きわたった所有とに依存するものであるといっており、土地の果たす社会的役割の重要性を指摘しています。これは、鑑定人等が鑑定評価の対象である不動産をまず、かかる観点から理解し、究明してゆかねばならないことを暗示しているように思われます。
不動産の鑑定評価基準では、土地は、そのもつ本来的な力の故に、私達人間の生活と活動に欠くことのできない一般的な基盤であると、土地がその基本財であることを指摘しています。万物を載せはぐくむという、その本来的な力のゆえに、土地は多種多様な用途に使用され、それが今日の複雑多岐な不動産問題を惹き起こしていることにもなりますが、この力のために私達人間の諸活動は可能となるわけです。一般的な基盤としての土地と人間諸活動との関係とは、この土地を、私達人間が各般の目的のためにどのように利用しているかということです。人間の諸活動との関係から不動産を究明するということは、このように不動産がどのように構成され、どのように貢献しているかということに具体的に表れる上いわゆる不動産のあり方を意味しているのです。
不動産のあり方は、不動産に対する人間の諸活動の結果、形成されるものですが、不動産に働きかける人間の諸活動は、常に社会的、経済的、行政的な諸力の制約下にあるのであって、その結果である不動産のあり方も、結局はこれら諸力の影響を受けて左右されることになります。ところが、一度不動産のあり方が決定されると、そのあり方は反対に、これに作用した社会的、経済的、行政的な諸力に対して、大きな影響を与えるという、二面性を有しているのです。これが不動産のあり方の基本的な特性です。この不動産のあり方は、因となり果となって、人間活動の基盤となるのであり、そのあり方いかんが、私達個人の幸福、社会の成長、発展、および福祉を左右するといっても過言ではなく、ひいては、私達将来をも決定づけるといえます。
私達の社会では、一面において、不動産の価格がこの不動産のあり方の具体的決定に当たって、主役を演じるということです。基準は,不動産のあり方の決定は、その不動産の価格、すなわち、この社会における一連の価格秩序の中で、その価格がどのようなところに位しているかということを、選択の主要な指標として行なわれているといっています。つまり、不動産のあり方は、その価格を目安として決定されるのです。

土地
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