不動産鑑定評価基準

日本の不動産鑑定評価制度は、その目的において不動産の鑑定評価に関し、不動産鑑定士等の資格及び不動産鑑定業について必要な事項を定め、と示すとおり、不動産の鑑定評価について権威ある鑑定人の確保、つまり不動産鑑定士および不動産鑑定士補の資格制度と、不動産の鑑定評価に関する業務の適正を図るために、不動産鑑定業者の登録制度と、その業務の運営に関して必要な規則との二つを主要な内容としています。現在では、全国どの都道府県においても最低1名の不動産鑑定士はいるといった状態です。不動産鑑定士の登録のほかに、不動産鑑定業の登録制度を設けた理由としては、営業として行なわれる不動産の鑑定評価結果は社会的に強い影響力を及ぼすために規制を加える必要があることと、沿革的にみて、日本の不動産鑑定業は、個人の鑑定業のほか、銀行、信託会社等の機関による機関評価の比率が高い為に、これをこの制度に取り込み、育成する必要があるためと言われています。

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現実の評価活動には、まず、公的なものとして、固定資産税における評価等のごとき税制上の評価、国有財産の管理、処分に伴う不動産の評価を取扱う国有財産の評価、土地区画整理事業における換地処分に係る評価、民事訴訟法における評価等、かなり専門的な評価活動が挙げられます。次に、民間におけるものとしては、金融機関における不動産抵当物件の評価活動、宅地建物取引業者による評価活動、その他一般大衆によって行なわれている値ぶみといったごく初歩の詳価といったものまで、多方面にわたっていますが、これら各種評価機関において用いられている鑑定評価の方法および理論は、必ずしも標準的に統一されたものではありません。この現状において、ある不動産の鑑定評価を同一時点で数人の鑑定人に依頼すると、その評価額に大きな相違が生じるであろうということは、容易に推測されるところです。鑑定評価額に多少の相違があるのはやむをえないとしても、専門職業家としての不動産鑑定士の評個額に大きな相違が認められると、その社会的信用をかち得ることはまず困難となります。そこで、不動産鑑定士等が専門家として社会的信用を得るためには、その鑑定評価を行なうに当たって、その拠り所となる、合理的で、かつ実行可能な評価基準の設定が、是非必要となってくるのです。鑑定評価の手法的支えとなる不動産の鑑定評価基準は、かかる要請を背景として昭和39年3月設定されたのです。
この鑑定評価基準は、日本及び外国において発達してきた不動産の鑑定評価の理論と活動とのなかで、日本の実情に即して妥当と認められるものを総合し、要約したものであること。その意味で現在要請されている合理的であって、かつ実行可能な拠り所として、十分有用なものであること。したがって、この基準は、法的強制力をもつものではないけれども、不動産鑑定士等が不動産の鑑定評価を行なうに当って、常に準拠すべきものであること。なお,この基準は現在においては合理的であり、かつ、実行可能な拠り所として十分に役立つものであるけれども、鑑定評価自体が発展の過程にあることを考えると、厳密な意味においては、これは、あくまでも中間的なものであって、今後、さらに充実と改善とを期すべきものであるとされており、今後さらに整備され充実されていくことが方向づけられています。
以上述べたとおり、日本における現行の鑑定評価制度は、土地等の合理的な価格の形成に資する制度として、権威ある専門家の制度が必要であるとする社会的要請により発足したものであり、鑑定評価の主体に対する法の保護と、評価基準との裏付けによって支えられており、不動産鑑定士等の的確で誠実な評価活動と相まって、鑑定評価制度のより一層の充実が期待されています。

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