地価高騰の原因

近年の地価、特に宅地価格の高騰は依然としてその衰えみせません。このような宅地価格の騰勢は、一般物価水準などと比較して極めて異常といえるものであって、この結果、住宅の建設、公共事業の遂行、都市計回の実施など各方面に悪影響を及ぼしています。つまり、公共用地の取得に伴うごね得の招来、市街地周辺部における無秩序な宅地化現象による健全な都市発展の支障、投機的、思惑的な土地投資による地価騰貴の悪循環などがそれであり、異常ともいえるこの騰勢にあおられた地価の相対的高水準は、国民経済の健全な発展と国民生活の向上とに対して、いまや重大な障害となってきています。このような地価高騰の原因は、種々考えられますが、基本的には需要と供給のアンバランスにあるといえます。つまり、戦後の急速な経済発展と国民の生活水準の向上に伴う産業と人口の都市集中現象により、都市及びその周辺地区における宅地の需給に不均衡が生じたためと考えられます。さらにこれに起因する地価の騰貴傾向に刺激された思惑的な需要の増加と、一方における供給の渋滞が、ますます宅地需給の不均衡を拡大して、地価の騰勢をより一層はげしくしているものと思われます。かくて、地価は次々に新高値を更新しながら、さらに遠隔地の地価に影響を及ぼし、それがもとの地値にハネ返る無限循環運動を展開して、その水準を高めていくことになります。

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土地

地価高騰の原因としては、合理的な地価決定の制度が欠けていたこと、健全な不動産市場が欠如していたことなどが挙げられます。つまり、不動産特に土地の価格は、一般に付近における特殊な取引価格や、あいまいな呼び値などによって、安易にしかも不合理に決定される傾向があり、一度価格が決定されると、不動産市場の売り手市場という特殊性によって、その価格が付近一帯の土地価格に波及するという、いわゆる呼び値による価格決定がなされるのが普通です。この不合理な価格決定が、地価の混乱を招来しているのです。また不動産はその特性上、市場が局地的であって、健全な不動産市場が欠如しており、適正な市場価格の形成が困難です。このため不当な宅地価格の上昇や、宅地の流通の渋滞をきたし、これらが地価上昇の一因をなしていると考えられています。このほか、都市地域における土地の合理的利用計画が確立されていないことなども、地価を混乱させる一因として指摘することができます。
このような地価高騰の要囚から、日本の当面の宅地対策は、宅地供給対策と土地利用計画の確立に重点をおいて、宅地需給のアンバランスを解消しようとする方向に向けられています。その対策として考えられているものに、宅地の大量供給制度、地価の公示制度、開発に伴う受益者負担制度、思惑投資を封じ、土地の死蔵を防ぐための土地に対する新しい税制借置、宅地流通機構の整備などがありますが、このうちの一つである宅地の大量供給の実施だけを考えてみても、適正な価格による用地の確保がまず先決であり、このためには、土地所有者や一般の人が納得するような適正な土地価格の評価が基本となるのです。地価公示制度の実施においてもそうであり、税制措置、受益者負担制度などにおいても、負担の公平を期するためには、適正な地価の決定が前提となってきます。このように、適正な価格のありどころを示す不動産の鑑定評価は、宅地対策としての諸方策の前提となるものであり、その基礎条件として必要となるものです。一方、前述のとおり、地価決定の不合理性に由来する地価の混乱が、地価高騰の重要な一因をなしている以上は、地価の決定を合理的に、かつ適正に行ないうる、なんらかの評価制度の確立が必要となります。ここにおいて、専門職業家による鑑定評価制度を、国の制度として積極的に確立する必要性が生じてくるのであす。かくて宅地制度審議会より、不動産の鑑定評価に関する制度の確立に関する答申がなされ、これを受けて直ちに立法化の作業が行なわれ、不動産の鑑定評価に関する法律案が第43国会に提出され、原案どおり可決成立し、施行されています。

土地
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