一般的な土地価格の動向

日本不動産研究所の全国市街地価格指数によると、昭和30年3月から42年9月までの間に全国市街地価格は9.3倍にもはねあがっています。しかし、上昇率を年度に分けてみると、37年3月までの前半が約5倍であり、その後の42年9月までが約1.8倍です。このような異なった地価上昇現象は、地価は一般物価の上昇に遅れて高騰するものだということと、土地は何かに利用される資産であるため、その市場価格は資産としての価値に制約されるという土地本来の性質によるのです。したがって、昭和39年秋頃からの不況が反映して、ようやく落ちつきをみせていた地価は、42年欲頃から再び強気の傾向に転じていました。また、地価と各種投資の間には相関関係がみられます。昭和37年頃までの上昇率の高かった時代は設備投資が旺盛な時代であり、39年3月頃から41年秋頃までの上昇率の鈍化した頃は設備設資が低調でした。このことは、地価一般についてのことであって住宅地価格はこれと様相を異にしています。住宅地価格も平均的にみると38年頃から鈍化はしていましたが、単価の安い新開発地域は著しい高騰ぶりで、最近の土地市場を活気づけている源泉になっています。これは、政府の住宅投資が増大したことによることですが、その反面、住宅需要の大きさを示しています。いまや、住宅投資は部心部から周辺部ヘ、既成工業地帯から新興工業地帯へと拡がって、大規模な開発計画でなくては成りたたなくなっています。

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土地

37年頃までの地価は、全国的に買っておけば値上りするといった自然地価でしたが、その後の地価は政策によって働くといわれる政策地価に変わっています。
不動産市場で土地の取引高の最高を占めるのは公共用地の取得価額です。地価の高騰と公共用地の取得は、どちらが因で、どちらが果だというものではありませんが、公共用地の取得は憲法第29条3項の規定が適用されるため、高騰した地価が一般化するとそれを基準にした価格で買収せざるをえないということに素因があります。東海道新幹線用地959万m2の買収は、着手してから5年がかったために、その買取費は当初予算の4倍に当たる598億円の巨額に達したといわれています。土地収用法が改正されて、買収価格は事業認定のとき決定するということになりましたが、国土の開発設備に伴う公共用地の取得量は、今後も増加するであろうため不動産市場への影響は大きい。
不動産市場の実態は、不動産業者の数と質の上に現われています。ことに、大企業や銀行などが、自社の管理部門を独立させて不動産業を営んでいることは、戦前にはみられなかったことです。日本経済が第1次産業から、第2、3次産業へと移行したことによる宅地需要の増大を物語るものにほかなりません。不動産業界の玉石混淆は、不動産の流通秩序を混乱せしめる原因の一つになっています。しかし、不動産者に対する社会的批判が厳しくなるとともに、土地は買っておけば馬鹿でも儲かるといった時代はすぎたので、次第に淘汰される傾向をみせるとともに、経済界一般の流通革命に刺激されて、ようやく経営近代化の準備が進められています。

土地
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