不動産業界の展望

不動産業といっても大は信託銀行の不動産部、電鉄会社その他の大企業の系列下にある不動産会社や大資本力と陣容を誇る不動産専門会社から、小は机一つに電話1本の個人業者に至るまで千差万別です。その業務内容も、貸間、貸家、アパートの賃貸借、土地、家屋の売買、賃借の仲介、造成宅地の分譲、家屋の建売分譲、土地、家屋の管埋など多様です。不動産は地域的にその価格要因が異なるものであるため、不動産自体の状態も、対価としての市場価格も個別的なものです。したがって、一般商品や株式証券のような取引市場が成立していません。買う人来れ、売る人来れという特殊の仲介業務が存在する所以です。いままでに物件交換所とか不動産取引所といった名称のもとに、不動産の円滑な流通を目的とした業者グループの会が誕生しましたが、結果的には失敗に終わっているのは、不動産自体の個別性がしからしめるのです。

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不動産市場を特殊化する原因は外にもあり、元来、不動産は先祖伝来の財産であるとの観念が強く、売りたくても一般に公開することを嫌う人が多く、また仲介業者も優良物件は同業者に公開することなく自力で買人を求めることによって手数料の増大を図ろうとするものです。このような問題を考慮しないで物件交換会などをはじめるから失敗する例が多くなるということがいえます。不動産業界で見逃すことのできない問題は無免許業者が多いということです。正規の事務所をもたないモグリ業者は都市近郊の農家や顔役に多く、彼等は売主または買主から依頼を受けると、正規の業者を訪れて協力を頼むのが通例で、準社員的なものになっています。業者はその撲滅を叫びながら、実際には手先に利用している例もあります。不動産業者のマーケティングは二つの型で行なわれています。その一つは、同業著間の連絡によって買いと売りの出合いをはかる方法であり、他の一つは、新聞、チラシ、ポスターなどによって、直接に主として需要者を求める方法です。前者の合理的な方法は、互いに信頼できる業者がのれん会というようなグループをつくって業務提携をすることです。資本力と陣容を誇る大手不動産会社の傘下に属して、主として売物件を探し出す業者提携もその一つです。後者は、主として宅地の分譲業者や家屋の建売業者が行なう販売方法ですが、誇大広告で需要者をつる悪徳業者もいて監督当局をてこずらせています。仲介だけを営業とする不動産業者は地価の安定に寄与しているものです。地価をつり上げるのは不動産業者だとよくいわれますが、それは、土地を買って売る業者のことです。異常な地価高となっている現在は、売人と買人の間には相当の値開きがあるため、仲介業者はそれを調節して取引を成立させています。売買が成立しないと仲介手数料は入らないからです。誠実な仲介業者は、売物件の依頼を受けるとき、高唱えの依頼者を説得して正常な価格で受託するものです。ところが、換金を急ぐ割安の売物件がでてくると、業者自身が買い取って利ざやを稼ぐといった手を使います。資力のある業者のする手口ですが、換金を急ぐ売主には金融しておいて正常な価格で仲介してやるというのが常道と思われます。もしも、資力のない業者がしようとすると、買人の金を流用して業者自らが買い取ったように見せかげて売ることになるため正現の手数料を上回る利幅をとると業法違反になります。このような悪質不動産業者に対する社会的批判が高まってきたことから、大手業者に対しては仲介の依頼物件が急激に増加しているとのことです。そして、不動産協会が、参加会社を中心にして中堅業者との提携による不動産取引センターを設けようとする計画などがあって、不動産業界再編成の動きがはじまったとみることができます。

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