不動産市場の主体

不動産市場の主体は、客体である不動産を売買または貸借する当事者と、売買、賃借を仲介する不動産取引業者とです。前者は不動産の需要者と供給者とですが、その中には不動産を自ら使用、収益しない不動産業者が含まれています。後者は不動産に関する営業者であって、賃貸業、売買業、仲介業に分けることができます。それらを説明的に分類すると次のようになります。不動産を売り又は貸す(供給する)当事者。自ら利用している不動産が不用になって、売却または賃貸する個人および法人。価格差利益目的で買取(所有)している不動産を売却する個人および法人。企業利潤目的で買収(所有)している宅地または農地の素地を、造成して売却する個人または法人の分譲業著。企業利潤目的で建築した建物を売却する建売業者。家賃収益目的で建築または買収した建物を賃貸する貸家業者。地代取益目的で買収(所有)している土地を賃貸する貸地業者。住宅供給事業を行なう地方自治体およびそれに準じる公益法人。地域開発を目的として工業用地等を造成供給する地方自治体およびそれに準じる公益法人。

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土地

不動産を買いまたは借りる(需要する)当事者。収益目的に自ら利用するために土地・建物を買収または賃借する個人および法人。賃貸料収益を目的として他人に利用せしめるために土地・建物を買収または賃借する個人および法人。売買差益目的で土地・建物を買収または賃借する個人および法人。土地の分譲業者、建物の建売業者、価格差利益を目的とする売買業者。公共事業(道路・公園・学校等)用の土地・建物を買収または賃借する公共機関。住宅対策または地域開発のために土地・建物を買収または賃借する国、地方自治体およびそれに準じる公益法人。自家用住宅に供するために土地・建物を買収または賃借する個人。厚生施設としての社宅・公宅に供するために、土地・建物を買収または賃借する公共機関・法人および個人。
建物であっても、その価格は、敷地の場所的な価値に基礎づけられるため不動産は本質的に個別的であり、一物一価といわれる市場価格は成立しません。世間には売らなくてはならない人、買わなくてはならない人が沢山いるのに、商品や証券のような市場機構ができない所以であって、売買、賃借の中間的な不動産業者の営業を成りたたせている理由です。ところが、不動産も一般商品と同じように価格差利益目的の売買が許されているため、自らは利用しない仮需要が盛んになり、値段をつり上げるための売り借しみや、不当な利益追求が行なわれるため、不動産市場の正常化は、売買業者と仲介業者とを区別して、それぞれの社会経済的な職能を負担せしめる機構の確立が必要になるのです。そして、不動産市場の中核的な担い手は、公平な第三者としての仲介業者でなくてはならないことは論証するまでもありません。
日本の現在の不動産業界は、昭和27年に制定された宅地建物取引業法によって免許を受けた個人および法人で公正されています。宅地建物取引業法という一つの法律で規範されている多数の業者は、各種の不動産業務や取引対象としての不動産の種類によって、その業務形態、営業規模はまちまちです。したがって、制度上の欠陥を補充する目的から住宅地造成事業に関する法律や不動産の鑑定評価に関する法律などが制定されていますが、不動産市場の正常化を期待する法体系としてはいたって不完全な状態にあります。
不動産の流通機構として重要な役割を果たしているものに各種の公的機関があります。日本住宅公団はその最大のもので、東京、関東、大阪、名古屋、福岡に支所をもち、住宅および工業団地その他の建設事業を実施しています。
所得倍増計画が喧伝された昭和32年頃から、都道府県および市町村は競って開発公社を設立し、各種の開発事業を行ないました。現在では有名無実のものや、建設に要した資金の償却に苦しんでいるものもあるといわれています。40年に制定された地方住宅供給公社法にもとづいて設立された住宅供給公社があり、これらの公的機関は、自ら利用するために不動産を買収するのでないため仮需要者で、不動産業者に準じるものということがいえます。

土地
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