地代と地価

地価はどのような論理をもって形成されるのでしょうか。商業地地価について考えてみると、資本は投下資本に対して最大限の利潤をつくり出し、それを内部化することを目的としています。したがって、土地を買収するにあたっては、それだけの地価を支払ってもなおかつ資本の側に超過利潤が転げこむ可能性がないと、その土地を買取しません。一方、土地所有者は、逆に超過利潤を地代として自分のとり分にしようとします。将来、地代の増加が見込める場合には、地代の先どり考えます。つまりべく高く売ろうとします。ここにおいて資本と土地のあいだで、超過利潤の分配をめぐる対抗関係が生まれます。簡単にいえば、土地私有制度のもとでの地価形成、ならびに地価を媒体として行なわれる土地利用の運動は、すべてこの資本と土地所有との間の対抗関係を通じて起こっている現象であると見ることができるのです。

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地価は、地代を平均利子率で割り、資本還元したものといわれます。しかし現実の地代と地価の関係は、必ずしもそのとおりにはなっていません。地価形成には地代の資本還元以外のいくつかの要困が働いているからです。地価は、株価と同じく先見性を持ちます。将来、より大きな地代収入の期待できる土地の地価は、地代の資本還元価格よりも高く、将来の発展性の少ない、またはさびれつつある地域の地価は、資本還元価格よりも低いのが一般的です。
地代と地価のこのような関係は、土地を投機の対象とさせます。都市の発展が著しい時代には、近い将来得られるであろう地代取入を先見して、地価はきわめて早いスピードで上昇し、土地は有力な投資対象となります。また、資本主義経済のもとでの利潤率低下の一般的傾向は、地代の資本還元価格よりも高い地価を約束します。しかも地価が急速に上昇しつつある時代には、たんなる将末の地代収入、貨幣資本に対する剰余価値としての利子配当の上昇という方向でなく、地価の値上がりによる売買差益収入を直接利潤追求の対象とする傾向が、きわめて一般的な現象となるのです。それは現実に大きな利潤を約束します。不動産業の純利益の大きさは、土地値上りの再評価益による部分が大きく、しかも、資本主義の高度化は一方では金利水準の低下、慢性的インフレーションの進行を必然化するので、土地はインフレヘッジとして有産階級の資産保護の役目さえもつようになります。そのうえ、社会保障の後退、社会不安、労働の過酷化などによって、社会全体の不安定化と人間疎外が進行し、マイホームに生活の安定を求め、消費とレジャーに生きる喜びを見出さざるをえないような時代には、土地の私的所有は、一種の流行現象となり、新たな需要を呼び起こすことになります。そしてこのような形での土地投資は、不況によって淘汰されることも少なく、持続的に進行します。加えて不動産金融の存在は、土地購入を支えることによりその低落を容易には導かないのです。

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