都市の人口規模と地価

都市の最高地価が、その都市の人口規模と密接な関係をもつことは、これまでも指摘されてきました。都市の人口規模がその都市の最高地価と強い相関をもつのは、人口集積の段階によって成立する業種の違いによることが基本です。一般に都市における最高地価は商業地において発生し、商業地の価格は収益の資本還元が基礎となります。収益は一義的に購買人口に比例しますが、商圏範囲の大小、消費市場の性格、商品の種類、集団化傾向等によって違ってきます。その結果、最高地価の発生する地点の性格は、その都市の性格と密接な関係をもってきます。戦前、戦後の最高地価、地点ならびに人口規模との関係を比べてみると、若干の差異がみられます。それは都市の地域支配圏域の違いによる影響が大きく、戦後の都市は人口集中、交通機関の発達による国土内の時間距離の短縮、政治、経済構造の著しい変化によって支配する人口圏域を変化させ、最高価格地の性格を変質させたとみることができます。資本主義社会においては、農業の衰退、工業の発展という条件のもとで、所得の格差を生じ、農村から都市へのたえざる人口移動が進みます。これが都市における超過利潤を拡大し地代を高めていく背景です。

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同じ場所であっても、投資のしかたによって利潤は変わってきます。例えば路地奥という不利な場所であっても、暖冷房完備、垢抜けしたデザイン、ムード音楽、ホステスのサービスがうけられる場合は、駅前の設備の悪い喫茶店よりも顧客を多く集め、高い利潤をあげることができます。つまり投資の形態が変われば利潤は変わります。これは一般に、資本装備の巨大化に伴って発生する土地利用の形態であり、実際には様々の形をとって現われます。営業種目の集積、大型投資によって資本の生産性は違ってきますが、その際土地はその資本活動に最もふさわしい利用形態に改良されます。土地の立体的利用、零細土地を集約、大型化して利用するいわゆる再関発事業もそれに入ります。
追加投資をすればなぜ超過利潤が発生するのでしょうか。市街地地代の形成過程解明の中心的課題は、ここにあるといえます。資本主義の都市が発達すればするぽど、都心部のもつ経済的価値は高くなります。都心部には、行政、金融機関等企業活動と密接な関係をもつ施設があり、生産手段が集中しており、それとの接触を求めて、あるいは相互の接触利益を求めて、あらゆる種類の事業所が集まります。都心はあらゆる交通機関の集結点となり、都市の発展とともに加速的に位置的価値を高めます。集積が進めば進むほど、交通機聞をはじめとする各種の都市施設が整備され、さらに集中を促進します。そこで、都心部の土地に対する需要はとどまるところなく増大しますが、建築の高層化は土地の利用密度を高めることによって、単位敷地面積当りの利潤を拡大します。ニューヨークのマンハッタン地区にみられる摩天楼はその典型ですが、これは資本主義都市に共通してみられる現象です。
日本でも超高層建築が数多く建っていますが、日本の場合は、容積率制によって、無限に高層化できるわけではありませんが、高層化に伴ういくつかのメリットによって、より多くの利潤をあげる可能性を生んでいます。例えば高層階ほど高い家賃をとってもテナントを確保できるということは、展望の確保が利潤を生む手段となりうることを示しています。
すでに都市の人口規模と地価の関係において、若干触れたところではありますが、各種の都市施設、業務施設、商業施設の集積は、利用上の使利さをもたらし、施設の利用圏域を拡大します。百貨店は品種の豊富さによって購買圏域を拡大しますが、一般に百貨店は営業床面積が大きければ大きいほど、単位床面積当りの利益率は高いといわれます。各百貨店が床面積の拡張にしのぎを削るのも当然です。地方都市でも、百貨店やスーパーマーケットの進出に対抗して、商店街の共同化がみられます。最近ではこのような集積効果をさらに飛躍的に発展させるべく、新しいタイプの建築と施設が現われています。現在の大都市では、人口がとどまるところなく膨脹する一方で高速道路、地下鉄などの交通機関が整備されて空間と時間の関係は急速に変わり、都心部への経済、文化、商業施設の集積が加速化しつつあります。さらに一方では、生活様式の変化、大量消費時代と称される耐久消費財の普及、消費の多様化が進んでいます。そうした条件のもとで新しい土地利用資本の活動の場が無数に開け、オフィスビル、百貨店、ホテル、ホール、名店街、専門品店、各種娯楽、教養施設、飲食店、結婚式場等々の機能を一つのビルに復合したマンモスビルが登場してきます。いずれにしても、新しい型の集積と交通機関への連絡の便利さ等によってこれらの建築は、従来にない新しい超過利潤を創出しているのです。

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