宅地基準

都市周辺の悪性スプロールによって、農地や山林原野が簡単に宅地化し、低次利用から急に高次利用に転用されるときに、急に地価が高騰し、土地プローカーなどの介入によって、ますます地価問題を混乱させていますが、日本におけるこのような宅地制度の欠陥の根底をなすものに、宅地基準の不明確さがあります。つまり、宅地としての技術的条件を備えたものであるか、宅地という名だけの粗地のままの土地であるかの使いわけが社会通念として乏しいことです。ドイツでは整備された宅地を成熟地,整備されてないものを未成熱地といって、法律的にも、土地価格の評定の場合も、はっきり区別することが社会通念となっています。ドイツの連邦建築法および土地税法に定められたところによると、建築成熱地とは、交通施設および建築のための給排水などが開発されており、かつ建築がただちに可能な場合で、建築計画において建築用地と定められた土地をいいます。都市計画でまだ建築計画が作成されていない場合においては、交通施設および建築のための給排水施設が十分開発されており、土地取引上建築用地であり、市町村の秩序ある発展に適している土地が建築成熟地とみなされます。

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土地

農村的な土地利用の強い地域にあっては、成熟地と未成熟地の宅地としての経済的価格差はきわめて少なく、都市化が一定規模以上に進行した地域においては、両者の宅地価格の差は、非常に大きくなっています。つまり、ドイツの都市においては、一定の宅地基準を備えた宅地が、宅地基準以下の未整備な宅地の約2倍の価格を有しているといえるわけです。ところが、日本においては、成熟地と未成熱地の価格の区別がきわめてあいまいです。
日本の大都市は、それまでは下水や道路が整備されていない未成熟地が極めて多いところに、世界に比をみない急ピッチな都市化の波がおしよせたことに問題がありました。しかも、建築行政における都市計画的規制が時代の波に適していないために、未成熟地にも、ほとんど何らの制約なしにどんどん建築が許されてきたことが、宅地の質的価値の区別を盲目にしてしまったといえます。昭和39年に、宅地の質的価値を明確にし、民間の宅地供給の健全な発展を促進するために、住宅地造成事業に関する法律が制定され、主として、7大都市の近郊都道府県に適用されましたが、この法律は、一定規模以上の住宅地の造成に対し、かなり整備された宅地基準を設け、これに通合しない宅地造成は、知事の許可がえられないことになったので、日本の宅地政策の上に大きな足跡を残しました。しかし、この法律は、43年に改正された都市計画法の中に吸収され、住宅地の造成だけでなく、すべての開発行為に対する許可制度として組み入れられました。都市計画法によると、都市計画区域を、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき市街化区域と、市街化を抑制すべぎ市街化調整区域に区分し、これらの区域内で行なわれる開発行為は一定の基準の下に、知事の許可を必要とします。都市計画法は、44年6月から適用されましたが、この立法によって、将来の日本の宅地問題解決の糸口がつかめる期待は大きいものがありました。

土地
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