土地を所有する法人の種類

土地の開発、管理にかかわる行政領域においても、国、地方公共団体から独立して、行政活動の一部またはそれと密接に関連する活動を行なう団体が多く設立されるようになっています。その狙いは、団体によって様々ですが、法律上、予算上のコントロールからの解放、柔軟かつ能率的な運営、行政需要の増大、多様化に対して、経済面からの自律的コントロールのきいた組織で対応することにより行政組織の膨大化を防ぐ、あるいは民間の活動面、資金面での力を組み込む、などがあげられています。また、公共的な活動を行なう民間の団体を公的制度に乗せて、一定の規制をすると同時に、権限を与え、助成もするという例もしばしばみられます。行政対国民という純化された図式の中間に、このような諸団体が介在しています。

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土地

おおよその範囲を定めた土地の所有、利用、改良を目的とする法人、組合いもきわめて多様であり、幾つかのグループに分類することが必要ですが、分類の視角も種々あります。
根拠法規による区別として民法上の財団法人、社団法人、商法上の株式会社、特別法にもとづく設立行為によって、設立されるもの、特別法により直接設立されるもの。
目的による区別として開発目的のために、土地の取得、造成等をしたうえで処分することを目的とするもの、住宅、工業用地提供やその環境整備のための開発、再開発事業を主たる目的とするもの、農林業生産にかかわる事業を主たる目的としながらも、その生産の基盤たる土地の造成などを行なうもの。
国、地方公共団体とのかかわり方による区別としてはさしあたり、設立者、出資者、行政庁によるコントロール、行なう活動の性格などから、次のように分類されます。政府関係独立行政法人、地方公社等、民間の公共的法人。
政府関係独立行政法人は政府が主要な設立者、出資者であり、活動内容も政府の政策を遂行するという性格がきわめて強く、役員の任免、会計等に関して国による強度の監督がなされ、公用負担特権など種々の特権を持っています。また、一定の法律の適用については、国、または国の行政機関とみなされることが多くなっています。判例では争訟上も行政機関に準じた位置づけがなされ、例えば法人に対する種々の認可も、行政の内部的行為であって抗告訴訟の対象たる処分ではないとされることがあります。
宅地開発公団は大都市周辺地域で大規模な宅地開発事業を行ないます。そのため土地区画整理、公有水面埋立事業等の手法を行使できるほか、収用権が認められることもあります。全額政府出資。
地域振興整備公団は人口と産業の地方分散のため、移転工場跡地の買上げと地方での受け皿つくり、地方中核都市の開発整備や、特定地域総合開発のため、宅地開発公団と同様の事業を行ないます。全額政府出資。
日本住宅公団は主要には住宅団地等にかかわる事業を行ないますが、広く大規模な宅地開発事業も行ないます。政府が おもに出資しますが、地方公共団体も出資します。
農用地開発公団は農用地等の造成、改良、農用地に関する権利、水利権などの交換分合などを行ないます。そのため換地処分などの手法も使います。全額政府出資。
森林開発公団は主要には森林に関する事業を行ないますが、林道の開設、管理等、委託をうけた土地で森林造成事業などを行ないます。全額政府出資。受益者賦課金につき最終的には強制徴収権も持っています。
土地開発公社は地域の開発、整備のための土地取得、造成その他の管理および処分を行なうなどの幅広い権限をもちます。一定の区域内で先買協議権ももちます。単独または複数の地方公共団体が議会の議決、主務大臣または都道府県知事の認可を得て設立します。民、商法上の公社の乱立、それに代替するはずであった地方開発事業団の不振のなかで創設されただけに、財務、運営上の柔軟性、議会の統制の緩和が目立ちます。地方公共団体の出資。
地方住宅供給公社は住宅の積立分譲を主たる事務としますが、これに伴う住宅、学校、商店等の宅地の造成、賃貸その他の管理および譲渡などを行ない、新住宅市街地開発事業の施行主体ともなります。収用権、先買協議権などを行使することもあります。都道府県、政会指定都市が議会の議決、国土交通大臣の認可を得て設立します。地方公共団体が出資。
民法上の公益法人として、商法上の株式会社。最近は土地開発公社にとってかわられるようになりましたが、なおこの存続数は多く、特に市町村関係に署しい。これらの法人のうち土地、開発にかかわるものの中心業務は、土地の先行取得でした。公益法人の設立には主務大臣の許可が必要ですが、一都道府県内で業務を行なうものの設立許可権は都道府県知事に委任されることが多いため、都道府県の設立する公社については、監督上の問題が指摘されてきました。出資は設立者たる地方公共団体が主に行ないますが、それ以外の地方公共団体、および地方公共団体以外のものが出資をすることもあります。しかしおもな活動資金は、当該地方公共団体の債務保証の下に民間金融機関からの融資に求める例が多い。
農地保有合理化法人は農用地区域内で、農地を買い入れ、必要に応じて土地改良、交換分合等を行ない、農業経営拡大を希望する一定の資格要件を満たす者に売却する事業、同様に農地を賃借、転貸する事業、山林等を買い入れまたは賃借し、それを農地または牧草地に造成して、譲渡または賃し付げる事業を行ないます。農地法の中心原理である自作農主義の例外をなします。法人の組織についての定めはすべて農地法施行令に委ねられていますが、民法上の公益法人、市町村、農業共同組合がそれにあたるとされています。民法上の公益法人は都道府県の過半数の表決権または寄附財産により構成される都道府県の公社です。その行なう事業に対しては、国、地方公共団体から融資、利子補給等がなされています。
民間の公共的法人は民間の自律的な団体ですが、その地域また産業の共同の事務を行なうなど、その活動内容に公共性が強く、権限、監督に関しても種々の特別な定めがあります。設立は認可制がとられており、加入についても強制加入、加入拒否の禁止などの特則もあります。運営の公正は内部手続きに委ねられていますが、そのあり方も比較的詳しく法定されています。事業を遂行するために換地処分、強制徴収など特別の権限が与えられていることが多い。
土地区画整理組合は同法による土地区画整理事業、および大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法による特定土地区画整理事業を行ないます。そのため組合が換地処分も行ないます。設立は定款、事業計画について施行地区内の宅地の所有権者および借地権者の各々の三分の二以上の同意を得て、都道府県知事の認可によりなされます。事業費については、組合員に対して金銭を賦課徴収する規定もありますが、おもに各筆を滅歩してひねり出した保留地の売却代金をもってあてることが多い。
住宅街区整備組合は共同住宅の建設を柱とした、土地区画整理事業にほぼ類似の住宅街区整備事業を行ないます。施行地区内の土地の所有権者または借地権者以外の者も、参加組合員として参加できます。
市街地再開発組合は市街地再開発事業を行ないます。土地区画整理事業に似ていますが、権利変換という手法を使います。参加組合員制度もあります。
土地改良区は土地改良施設の新設、管理、区画整理、農用地造成、農用地に関する権利等の交換分合などを含む土地改良事業を行ないます。設立は、事業参加有資格者の三分の二以上の同意その他の要件をみたした申請に対する都道府県知事の認可を得てなされます。事業を行なうため、換地計画を定め換地処分をなすこと、賦課金等の徴収の権限をもっています。
農業協同組合は農用地供給事業、農地保有合理化促進事業を行ないますが、宅地等供給事業を行なうことも認められました。このほか土地改良事業その他土地に関する非常に広汎な事業を行なうことができます。農用地区域内の一定の農地等について強制的な利用権設定の請求や、また未墾地等の強制買収の申出などの権利もあります。

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