保留地

保留地とは、土地区画整理事業施行の費用に充当するため、あるいは規約もしくは定款で定める目的のために、区画整理後の土地の一部を換地として定めず第三者に売却することが予定されている区画整理地区内の土地をいいます。耕地整理法時代では替費地とよばれ、慣行上古くからあったもので、学説、判例も承認するところでした。この土地は、組合員の換地としての権利地積を画一的に滅歩して組合に提供、創出されるものですが、土地区画整理に要する巨額の事業費用を金銭負担するよりも土地を提供するほうが組合員にとって負担とならないところから広く行なわれ、土地区画整理法に明文化されたのです。

スポンサーリンク
土地

保留地予定地とは、土地区画整理事業の換地計画において、保留地と定める予定地および換地計画で保留地と定めた土地で、換地処分の公告の日以前の保留地をいいます。実務的には、換地計画の作成が仮換地の指定よりも先になされないのが一般的であるので、その場合、保留地の予定地を施行者が定めておくことになるのです。保留地予定地は換地処分の公告の日まで施行者が管理権を有し換地計画に定められた保留地は、公告のあった翌日に、個人、組合、公共団体施行の事業については施行者が、行政庁施行の場合には、国、都道府県、市町村がその所有権を取得します。
保留地は前述のように、区画整理事業施行の費用にあてるために指定されますが、それ以前の予定地の段階で売却処分し、施行費用にあてる必要のある場合が多く、この予定地段階では、施行者はまだその所有権を有しておらず、登記もできません。このため購入者もそれを担保にして融資をうけることが難しく、保留地予定地は売れにくいことになります。このため、種々の決律問題が生じ、保留地の売却を容易にするための制度的工夫が行なわれています。
保留地の処分は、組合施行の場合には総会の議決で定めねばならず、通常規約または定款の定める方法によって処分されます。公共団体、行政庁施行の場合は、保留地を定めた目的に適合し、かつ、施行規定で定める方法に従って処分しなければなりませんが、国、都道府県、市町村の財産処分に関する法令の規定は適用しません。土地区画整理法一○八条にいう保留地の処分は、行政処分である保留地指定処分とは異なり、私法上の売却処分の性質を有します。これは国有財産の売払い等と同様私人たる買受人が公共団体や国と対等の立場においてなす私法上の行為だからです。したがって、抗告訴訟の対象となる行政庁の公権力の行使にはあたりません。このように保留地の売却を私法上の売買契約と考えると一○八条の規定は行為規範でなく、内部規定で、契約の効力要件でないとも解釈されます。このような解釈の余地を否定するために戦前においては、これを行政処分と解する説もありました。さらに、保留地処分を売買であるとしながらも、売買に際しては、施行者の一方的約款条件にもとづき締結され、整理施行の必要上種々の公法上の制限が課せられるところから公法契約と解する説があります。しかし、このような一方的約款による契約は私法契約においても多く例があり、公法上の制限も民法の特別規定と解すれば足りることになります。
保留地予定地売却契約の性質は、施行者が換地処分の公告の日の翌日に保留地の所有権を取得することを停止条件とする保留地予定地の譲渡契約と、施行者の有する保留地予定地の管理権にもとづく使用収益権の譲渡契約です。これに対し、判例のなかには売買を将来の所有権の売買であるとしながら、保留地予定地の使用収益権譲渡の効力を否定するものがあります。保留地予定地売却処分は私法上の売買であって行政処分ではありません。したがって、予定地を随意契約により売却することを組合が承認する行為も行政庁の処分ではありません。次に、保留地予定地売買契約の性質については債権契約説と物権契約説とが対立しています。前説では買主の使用収益権の内容は施行者に対する給付、利用請求権であって、保留地予定地を直接支配する権利ではないとしています。これに対し後説は、この使用収益権は仮換地のそれと同様の一種の物権的支配権であり、それは本換地処分の確定と同時に、自動的に所有権にまで昇華すると解しています。いずれの説をとるにせよ、保留地予定地になんらかの妨害がなされた場合には債権または物権にもとづく妨害排除請求権を行使しうるし、一端占有を開始した場合には占有権にもとづく妨害排除請求ができることにかわりはありません。
施行者または保留地譲受権者が保留地予定地を二重譲渡した場合のその所有権の対抗関係では、施行者は、保留地予定地権利台帳を備えつけ、利害関係人の閲覧請求を拒むことができず、整理地区内の土地の売買はこの権利台帳を調査のうえ売買するのが慣習で登記と同様の機能を営んでいるところから、この権利台帳への登録をもって対抗要件とみなすべきであるとする説があります。これに対して通説では、施行者が予定地を二重譲渡した場合は、施行者が換地処分の公告により所有権を取得したのち、先に移転登記うけた譲受権者が他の譲受人に対抗できるとして民法一七七条を適用します。そして施行者からの譲受権者が二重譲渡した場合にも同様に解する説と、この場合には慣行的に保留地権利台帳への登録が公示方法とされているときは、台帳上の名義変更をもって対抗要件と考える説とがあります。次に保留地の使用収益権の対抗要件としては権利台帳への登録によるとするものと、保留地予定地の占有によるとするものとがあります。
保留地予定地については登記制度がないため、抵当権の設定は対抗要件を欠き実効性がありません。もっとも当事者間での設定契約は有効です。そのほか考えられるのは譲渡担保です。譲渡担保の客体である保留地譲受権は債権であるので、指名債権としての対抗要件により第三者に対抗できます。

土地
国土利用計画と土地利用基本計画/ 都市計画と農村計画/ 都市計画/ 土地利用計画の策定の権限配分/ 住居地域内の青空駐車場の規制/ 公用収用/ 公共的私用収用/ 任意買収/ 土地収用における事業認定/ 収用委員会の裁決/ 土地収用における損失補償/ 土地区画整理/ 土地区画整理事業と借地権者/ 換地計画/ 換地処分/ 保留地/ 土地区画整理審議会/ 市街地再開発事業/ 土地を所有する法人の種類/

       copyrght(c).土地の買い方ガイド.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー